IBM、パソコン事業の売却を正式発表。

2004/12/08 15:19 Written by コ○助

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ここ数日、ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルが相次いで報道、その行方が注目されていた「コンピュータ界の巨人」IBMのパソコン事業なりが、中国最大手のパソコンメーカー聯想(レノボ)グループに売却すると正式に発表されたなり。売却金額は総額17億5,000万ドル(約1,803億円)で、中国企業による海外企業の買収としては過去最大規模。聯想グループは世界3位のパソコンメーカーになるなりね。

IBMは1981年に16ビットのIBM PC(8088 4.77MHz)を発表し、超小型演算処理装置(MPU)にインテルの製品を、OSにマイクロソフトの製品(MS-DOS)を採用する「オープン戦略」を打ち出し、世界中のメーカーがこの戦略を採用。「IBM互換機」を製造することになったなりね。このIBMの選択が、結果としては世界中にパソコンを広めるきっかけとなったため、IBM無くしては今のパソコン業界は有り得ないし、マイクロソフト帝国も存在し得なかったと言っても過言ではないなりね。

そんなIBMが、パソコン事業の売却に踏み切ったのは、世界的なパソコンの価格競争が大きな負担になってきたから。IBMは近年の価格競争によってパソコン事業だけで5億ドル近い債務を抱えており、今後さらなる価格競争が起きると予測されていることから、早い段階でパソコン事業に見切りを付けることにしたようなり。当初は東芝など、日本の複数のメーカーにも売却を打診していたようなりが、国内メーカーも厳しい状況に置かれているのは同じなので、残念ながら手を挙げるメーカーは出てこなかったなりね。

IBMを買収した聯想グループは日本ではあまりなじみのない企業なりが、IBM買収前の世界シェアは8位と、中堅のパソコンメーカー。日本を除くアジア市場ではトップシェアを誇っている企業なりね。世界8位の聯想グループが、世界3位のIBMを買収する。ここ数年、中国企業の躍進が語られることは多いなりが、今回の一件も中国企業の勢いを感じないわけにはいかないなり。

心配なのは、IBMがパソコン事業を売却後のブランド名なりが、基本的には「lenovo-IBM」とIBMの名称は残る模様。また、人気のあるノートパソコン「ThinkPad」などの名称は、引き続き使用されるようなので、消費者的にはそれほど混乱は無さそうなりね。

今回の売却について、日本IBMからもコメントが出されているなり。インプレスの記事によると「IBMの技術力とサービス体制、Lenovoの持つコンシューマPC市場での優位性と、成長著しい中国市場でのリーダーシップが合わさることで、従来以上の製品、サービスを提供できるようになる」とのこと。確かに、今後まだまだ成長が見込める中国市場で優位に立つことで収益性が良くなれば、IBMブランドのパソコンにとってもメリットは大きいだろうし、それほど悪い話では無さそうなりか。まあ、単純にパソコンの市場を作ってきたIBMが撤退してしまうのは寂しい話なりが。

日本では中国メーカーのブランドは全く売れ筋では無いなりが、「ThinkPad」を引き続き投入していく聯想グループが、そんな閉塞的な市場をこじ開けて行くことになるかもしれないなりね。生まれ変わる「ThinkPad」がどのような製品になるのか、楽しみにしておきたいところなり。

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