バツイチお父さんに救いの手を。

2004/12/06 04:50 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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イタリアは宗教的文化背景が濃いお国柄のようで、結婚・離婚に対する法律はとても厳格なんだそうです。キリスト教、特にカトリックの影響が強いこの国では、まず結婚は「結婚式」という儀式がないと認められない仕組みになっているとか。日本のように単に役所に婚姻の届出を出しただけでは夫婦になれないんですね。

そういえばウォール真木も実はイギリスで結婚したんですが、その当時英国の法律で認められている婚姻方法は、教会で(宗教婚)かタウンホールと呼ばれる市役所で(民事婚)で式をあげるという2通りのやり方しか選択出来ませんでした。ウォール家の場合は教会なんぞはめんどくさいので民事婚を選択したんですが、突然役所に行って結婚出来るわけではなく、式の何週間も前に一度役所に出向かなければなりませんでした。何をするかと言うと、二人の名前を役場の掲示板に貼って一般市民に2人が結婚する意思を公表し、意義が無いかどうか確かめるんだそうで…。でその後晴れて「結婚してもOK」と言う許可を貰い、儀式をやります。

やっぱりお役人の前で手に手を取って、

「私はこの人を妻としまーす」
「私はこの人を夫としまーす」
(注:意訳)

って誓いましたよ、えぇえぇ恥ずかしげもなく(笑)。

話はそれましたが、イタリアです。結婚がそれこそ厳粛に考えられているものですから、離婚なんて言ったらそれこそいまだにタブー。なんでも離婚が正式に認められたのが1970年だと言いますから、ほんの34年前ですよ…。しかも離婚が認められたとはいえ、正式に夫婦が別れるためには、まず「法的に別居」している状態が必要だそうで…。そう、いきなり離婚届にサインして終わりなんて事にはならないんです。その法的別居は3年間以上が必要で、その別居を始めるのにも色々裁判で決めていかなければダメなんだそうで…。うわっ、こりゃ大変だわ。

さてここまで苦労して離婚して、さらに男性の場合はその後も経済的に負担が色々あるそうです。子供がいた場合、その親権は母親に与えられます。すると自動的にそれまで住んでいた家の権利も母親のモノになります。さらに子供が成人するまでの養育費だの、何だの。ほとんどのバツイチお父さんは、離婚後「身ぐるみ剥がされる」状態だとか…。まあ、離婚の原因を作ったのが彼の方だったらそれも「身から出たさび」ですが、中には自分に非が無いのに別居・離婚させられて無一文になってしまうパパもいるかもしれません。

で、そんなお父さん達を救おうと、ボルザノと言う北部の都市で離婚男性のための保護用住宅が登場したそうです。初めての試みのこの専用住居、まだ5部屋しかないそうですが今後はイタリア中で同様のものがオープンする予定だそうです。

イタリアは「マンマ(お母さん)」の国というイメージですが、お父さんも権利を主張し始めたって事でしょうかね。何はともあれ、離婚後の幸せってのも人生大切だと。頑張れバツイチ父さん!

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