おやつ代を節約、広島新球場建設に5歳児が募金。

2004/11/19 10:36 Written by コ○助

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最近、広島市民球場の建て替えに関する話題をよく見かけるなりよね。Yahoo! トピックスにも「広島東洋カープ新球場建設問題」というトピックができているほどなりが、それに関連してちょっと良い話が出ていたなりよ。でも、その話題に触れる前に、なぜ広島市民球場を建て替えるという話になっているのかを簡単に振り返っておくなりね。

そもそも、広島市民球場を建て替えるという計画は、以前から存在していたなり。建て替え議論が出ていた理由のひとつは、広島市民球場がオープンしてから47年が経過しており、施設の一部に亀裂が入るなど老朽化が激しく進行しているため。もうひとつは自力で球場の建て替えや新球場の建設をするほどの体力がなく、主催試合の観客数が6年連続で12球団最低と低迷している広島東洋カープが、球界再編の流れの中で球団消滅という選択肢を完全に否定できないため。

そんな理由から、新球場の建設計画が出ていたわけなりが、当初は民間企業を中心にドーム球場を建設する意向だったなりね。ところが、地元経済の不況が依然として続く中、地元企業が新球場への投資に及び腰となり、この計画自体が頓挫。黙っていても老朽化だけは進む広島市民球場をどうするのか、という議論は先送りにして、ただただ時間が流れていたわけなり。

そこで市民が中心になって動き出したのが、新球場建設に向けての募金活動。募金だけで建設費(建て替えなら100億円、新設なら200億円)をまかなおうという高い目標を設定しているわけではなく、市民が大きなうねりを作り出すことによって、財布の紐が堅い地元企業や広島市の背中を押そうという考えなり。

この募金活動、1950年代に球団売却の危機に瀕していたときに市民を中心に行われた「たる募金」にちなんで、今回も「たる募金」と呼ばれているなりよ。商店街や百貨店、スーパー、交通機関などに募金箱を置くほか、以前の「たる募金」のときに使用された大きな樽も街頭募金用に登場するというなり。

さて、やっと本題に。19日付けの中国新聞に、広島市在住の熱烈なカープファン、森島宏太朗君(5歳)の話が出ていたなりよ。森島君は2歳の時から広島市民球場に足を運び、眠いのを我慢して試合終了まで見届けるほどカープが大好き。そんな森島君にまつわる話なり。
「六月末ごろ、球団合併問題を報じるテレビを指し、父の理容室経営宏治さん(33)に『何言よるん』と聞いた。『カープもお金がないから人ごとじゃないよ』と話すと、涙ぐんで布団にもぐった。その後、祖父母らにもらう小銭をため始めた。高さ十センチの貯金箱には『カープをまもる』と書いた紙を張り付けた。」(中国新聞より)
涙ぐんで布団にもぐった……。なんとも可愛いファンじゃないなりか。そして、貯金箱に張ったという「カープをまもる」の紙。可愛すぎるなり(笑)。
「八月に満杯になった。父子は球団事務所を訪ねた。突然の申し出に、職員は『ありがとう、選手はきっと喜ぶよ。いつか持って行く先ができるからそれまで取っておいて』と、嶋重宣選手のサインボールと新しい貯金箱を贈ったという。」(中国新聞より)
満杯になった貯金箱はまだ募金できていないようなりが、広島市中区の基町クレド広場で行われる「たる募金」のスタートイベントの会場に設置される大だるの中に入れる予定なのだとか。うぅ、なんだか良い話なりねぇ。

広島市民球場がほかの球場に見劣りしているのは誰の目にも明らかだし、球場の建て替え、もしくは新設が急務なのも分かるなりよね。球場が大きくなって、観客動員が増えれば球団に投下される資金が増え、より魅力あるチームになる……という連鎖が期待できるだけに、この市民の募金活動が行政や地元企業を動かすほどの大きな力になると良いなりね。広島ファンの人は、募金活動に参加してみてはいかがなりか?

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