パリのブロンズ像、恋の御利益をめぐって騒動。

2004/11/09 03:12 Written by コジマ

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恋・縁結び、子宝の御利益がある石や仏さまは日本にもたくさんあるけど、パリで人気の“なで仏”は墓の上に横たわる男前のブロンズ像。「新しい恋が始まる」「妊娠する」との噂を聞きつけたパリジェンヌが触りまくったために、このブロンズ像をめぐってちょっとした騒動が起きたのだ。

像のモデル、墓の主は19世紀の新聞記者、ビクトル・ノワール。ナポレオン1世の甥ナポレオン3世の帝政に批判をしたため3世の従兄弟ピエール・ボナパルトの怒りを買い、1870年、22歳の若さで凶弾に倒れた。葬儀には、彼の死を悼んだ10万〜20万人のパリっ子が参列したそうな。

そのノワールさんの等身像、御利益を受けようと多く参拝者がなでたため、一部がはげて地金が露出してしまったのだ。業を煮やした墓の管理事務所が、これ以上の損傷を防ごうと独断で墓の周りに鉄柵をめぐらせたところ、現地を視察したパリ市担当助役が「場違い」と撤去させたそう。asahi.comによると管理事務所は抗議していないようで、「騒動」とは言い難いけど、管理事務所が柵を設けるほど像を損傷させたパリジェンヌたちの執念はスゴイのだ。ちなみに、触って御利益がある部分は、asahi.comによると「顔や足先など」だそう。

ノワールさんの墓があるペール・ラシェーズ仏国立墓地の管理事務所はなかなか頑固で、1914年に作家オスカー・ワイルドの墓に彫刻家ジャコブ・エプスタインが記念碑として裸像を彫ったところ、「猥褻だ」として一般公開を拒んだそうな。多くの参拝者の要望にもかかわらず頑として譲らなかった管理事務所側は、結局、性器の部分にイチジクの葉の彫刻を乗せることでようやっと一般公開を承諾したという。

市民の英雄としてフランスでは有名人のノワールさん。彼の像がなぜ恋の御利益があると噂されるようになったのかは不明だけど、asahi.comの写真を見ると、記事にある「顔や足先」などよりも、ズボンの前がずいぶんと輝いている。むむ、よく見るとズボンのふくらみがハンパじゃないのだ。「同じような経緯」で最近まで柵を設置していたというワイルドさんの墓の彫刻のことを勘案すると、その辺に理由がありそう。うーん、しかしピカピカ…。

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