結婚式当日に心臓移植を受けた男性。

2004/10/17 11:37 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカでは毎年、4、500件もの臓器移植の手術が行われているそうです。1997年の臓器移植法の施行以来、日本でも脳死提供者からの臓器移植が可能になりましたが、実際の国内での移植手術は年に数件。2004年7月現在、脳死ドナーからの移植手術は30件にしか達していません。

きっとこの種の臓器移植が合法的になってから、まだ日が浅いのが原因なのでしょう。医学の大変進歩した日本の事、ドナーの希望者や増えていく事で、将来的に臓器移植が一般的になる日も遠くはないかも知れませんね。

さてアメリカに話を戻しますが、臓器移植を希望する人の平均的待ち時間は約6ヶ月。とは言え、自分に該当するドナーが現れるのはいつなのかは、個々のケースによりますし、予想も出来ません。患者さんはいつ何時、病院から連絡を受け取るのか。それは本当に神のみぞ知る…。

デトロイトに住むスティーブン・ブルカさんも、心臓ドナーが現れるのをまだか、まだかと待ちわびる患者さんでした。心臓肥大という病を患っていた彼ですが、なんと10月になったばかりのある日のお昼過ぎ、とうとう待ちわびた連絡が届いたのです。そして市内のヘンリー・フォード病院に直ぐに来るように言われました。

しかしブルカさん、その日は実は大切な予定が入っていたのです。病院からの電話にものん気に(かどうかは判りませんが…)

「あのー、2時から僕の結婚式なんですけど〜」

そうです、なんとあと数時間で新郎となる身だったんですね。結婚式の予定は変えられないし、かと言ってもちろん臓器移植のチャンスは逃したくありません。そこでブルカさんと、婚約者のディードレ・ジャコボーニさんは、急いで教会に頼み込んで式を1時間早めてもらうことにしました。

そして結婚式を無事終えて、そのままの姿で病院へ。その午後に手術が行われ、経過は良好。新婦のディードレさんは

「この病室がハネムーンの場所になっちゃったわ(笑)」

と微笑んだそうです。ブルカさんはその後無事退院なさって、甘い新婚生活を送っているとか。どうか末永く健康で、お幸せに。

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