ジェンキンスさん入院中は訴追しないことに米政府が合意。

2004/07/15 04:37 Written by コジマ

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かねてから健康上の問題を抱えているといわれていた、拉致被害者の曽我ひとみさんの夫で元米兵のチャールズ・ロバート・ジェンキンスさん。再会の場であるジャカルタで受けた検査の結果、4月に北朝鮮で受けた腹部の手術跡に後遺症があることや、内臓に病変がみられることが判明し、治療のための来日を(曽我さんが)希望していたのだけれど、ここで問題となっていたのが、ジェンキンスさんの脱走兵としての訴追問題。このことは日米両政府間で協議が続けられているが、とりあえずは「入院中は訴追しない」という米政府の合意が得られたのだ。なお、退院後の身柄引き渡しについては、続けて協議するそう。

ジェンキンスさんは在韓米軍に配属されていた1965年1月に部隊を離れ、北朝鮮に渡ったとされている。このことで(1)他の兵士への脱走教唆(2)脱走(3)敵への支援(4)忠誠放棄の奨励―という4つの罪に問われており、米国防総省は「極めて深刻な罪」としているのだ。

米国は法に厳しい国。北朝鮮の公民であることを盾に、また、日本への帰化などの案もマスコミの間で囁かれていたけど、米国防総省は「国籍」に左右されないと明言 しており、譲歩は望めないと思っていたのだ。そこへ渡りに船の「人道問題」。米政府が特例を認めるのに十分な材料なのだ。それゆえに、「病状が思わしくない」「インドネシアの施設では治療できない」ということが捏造なのでは、という邪推をしてしまう自分がいたりする。

難問を先送りにした感は拭えないけど、とにかく、曽我さんの望みである「家族が日本で一緒に暮らす」ことに一歩近づいたのだ。ジェンキンスさんも日本が好き なようだし、曽我さんの気持ちになると、そのまま日本で一家そろって暮らせたらいいなあ、と思ってしまうのだ。まあ、特例を認めるのはどうかとも思うけど。また、ジェンキンスさんの意向や思想など、米政府が訴追しないにしても問題は山積しているのだ。

ともあれ、米政府は建前と温情のどちらを優先するか、今後の出方に注目なのだ。でも、「一緒に暮らせるなら日本でなくてもいいのでは。(愛があればどこでもいいじゃないか。)北朝鮮ではだめなのか?」 なんてこと言う無神経な大統領がいるからねえ……。

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