米カーライルと京セラ、DDIポケットを買収へ。

2004/05/27 11:25 Written by コ○助

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27日付け日経新聞朝刊の1面にDDIポケットの買収の話題が出ていたなり。これまでも何度かDDIポケットの買収話は浮かんでは消えているなりが、今回は具体的な買収までのスケジュールが目前に迫っているだけに、信憑性は高そうなりか。

具体的には米投資ファンド大手のカーライル・グループと京セラが約2,200億円でDDIポケットを買収。株式比率はカーライルが60%で経営権を握り、京セラは現在の13%から30%まで買い増して2位の株主に、現在親会社のKDDIは10%の3位の株主となるようなり。交渉はすでにかなり進んでいるようで、日経新聞の報道によると26日に基本合意に達し、6月半ばに最終合意、今夏までに買収手続きを完了するスケジュールなのだとか。

カーライルと京セラの狙いは日本で好調のデータ通信分野と中国でのPHS事業を強化していくことのようなりが、最近発売され熱い支持を受けているOpera搭載のAirH”PHONE端末「AH-K3001V」のような音声端末分野が、従来のDDIポケットが打ち出していた拡大戦略通りに進むかどうかは不透明。せっかくユーザーから熱い支持を受け、盛り返していきそうな雰囲気が出来つつある時期だけに、国内は「データ通信に特化」なんてことにならなければ良いなりが……。あとは、京セラ以外のメーカーが端末供給をストップするとか。

なんだかユーザーにとってはマイナスなことはポンポンと出てくるなりが、プラスなことと言えば1,345億円の有利子負債をすべてKDDIが引き取るということなりか。これによって赤字体質から抜け出せるならば、今後はもっと攻めのサービスに転じることができるなりよね。買収によってユーザーの利便性が損なわれないことを祈るばかりなり。

☆カーライル・グループとは
カーライル・グループは運用総額約188億ドル (約2.1兆円)を超え、1987年の設立以来306件以上の投資実績を持つ世界最大級の未公開株式投資会社。(公式ページより抜粋

その顧問には世界の名だたる政治指導者たちが名を連ねているほか、アメリカの政府関係者も多く、ブッシュ元大統領(現アメリカ大統領の父)を筆頭に大物が顧問を務めており、アメリカ政府と結びつきの強い企業のようなり。

カーライルの投資先のほぼ3分の2は、軍事産業と通信分野と言われており、各国政府の規制が厳しい分野の企業を買収し、アメリカ政府と各国政府の交渉事をスムーズに進めさせるための急先鋒となるような会社という話も。今回のDDIポケット買収の話も、アメリカ政府と日本政府の通信分野をめぐる規制緩和の話とどこかで一枚噛んでいる可能性は有るかもしれないなりね。

また、カーライルは投資ファンドなので基本的には「安く会社を買収し、転売して儲ける」という姿勢。それだけに、DDIポケットにとって良い買収話なのかどうかは微妙なところ。旧親会社の名前が入った企業名も変更される可能性はあるし、時期が来たら転売されてしまうことも当然あるわけで、ユーザーとしては安定して今後もサービスが提供されるのかどうかは不安なところなり。

☆カーライル・グループに関するその他の情報
カーライルにみる政軍産複合体(日経新聞)
戦争で儲ける人たち―ブッシュを支えるカーライル・グループ(amazon.co.jp)
米国の投資ファンドに日本の税金を出資(日本共産党)
政治とテロと戦争と企業の癒着:カーライル(阿修羅)
政界・産業界・国防を操って巨万の富を築くカーライルグループの闇(阿修羅)

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