東京国際映画祭、8億円かけリニューアルへ。

2004/05/16 19:35 Written by コ○助

このエントリーをはてなブックマークに追加


今年で17回目を迎え、徐々に歴史を感じる映画祭になってきた東京国際映画祭。ただ、東京国際映画祭は国際映画製作者連盟(FIAPF)が公認する世界的な映画祭ではあるものの、世界三大映画祭(カンヌ、ベネチア、ベルリン)の権威には遠く及ばず、グランプリに選出される作品も若干マニアックな作品が多いことから、一般的な受賞作の認知度は決して高いとは言えないなりよね。

例えば昨年東京国際映画祭でグランプリを獲得した作品をご存知なりか? 昨年のグランプリ作品は中国のフォ・ジェンチー監督の「暖〜ヌアン」。フォ・ジェンチー監督は旧作の「山の郵便配達」がミニシアターで公開され、高い評価を受けていた監督なりが、「暖〜ヌアン」も初恋の切なさを描いた作品として、アジア映画好きな人の間では話題になっていた作品なりね。

例えば一昨年の東京国際映画祭でグランプリを獲得した作品をご存知なりか? 一昨年のグランプリ作品はイスラエルのニル・ベルグマン監督の「ブロークン・ウィング」。ニル・ベルグマン監督はこの作品が長編デビュー作だったので一般知名度はほとんど無かった監督なりが、イスラエル映画にはありがちだという政治的なカラーや、身構えてしまいそうな設定をあえて避け、父親を失った家族の絆の物語に仕上げた力量は秀逸だと、評判になっていた作品なりね。

と、いった具合に、グランプリに選出される作品もかなり渋い作品が多いのが東京国際映画祭の特徴。それは決して悪いことではなく、新たな才能の発掘をテーマに打ち出している映画祭なのでこうした渋いチョイスも大事だと思うなりが、いかんせん映画祭全体の雰囲気も地味な感じになってしまうのは確かなりよね。一応、オープニングやクロージングの作品にはハリウッド大作を据えて、ハリウッドスターを来日させて派手に打ち上げようという姿勢は見られるなりが、どうも全体的に盛り上がっているというよりは瞬間的に花火が打ち上がって盛り上がっているという感じ。映画祭全体の華やかさはどうも薄いような気がするなり。

昨年から東京国際映画祭のゼネラルプロデューサーに就任した角川歴彦氏はこの点を懸念しているようで、今年の東京国際映画祭は大幅に予算を増やし、大リニューアルを敢行すると発表。まず、メインの会場を渋谷に加えて六本木まで拡大。六本木ヒルズにあるヴァージンシネマズの全スクリーンを開催期間中にフル稼働させるほか、六本木に点在する映画会社(ギャガ・コミュニケーションズなどか?)の試写室での上映を中心にすることで、「国際都市六本木」からの文化発信をテーマに据えるようなり。

予算も昨年よりも3割もアップ。カンヌ国際映画祭の約10〜12億円という予算にも劣らない8億円程度の予算を見積もっているというなり。予算が増えれば、当然招待される作品も増え、世界的な知名度が高い映画監督の作品もたくさん観られることになるかもしれないなりね。カンヌ並の豪華ラインナップを揃えるのは難しいかもしれないなりが、さまざまなテーマで切った特集上映が企画されたりはするかもしれないなりね。かなり楽しみかも。

今年の東京国際映画祭は10月23日から10月31日まで。詳細なプログラムなどが発表されるのはまだまだ先の話なりが、今から楽しみに待つとするなり。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.