やっぱりかっちょいい、反骨な“漢”たち。

2004/05/12 03:54 Written by コジマ

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フリージャーナリストの森住卓(もりずみたかし)さんが撮影を手掛けた「私たちはいま、イラクにいます」(講談社)が、産経新聞社主催の産経児童出版文化賞に選考された。同作品は、イラク戦争開戦直前に米国人少女が読み上げた非戦メッセージから始まり、写真を中心に平和を訴える内容になっている。ところが森住さんは、この賞を辞退したのだ。理由は、産経新聞のイラク戦争に対する姿勢にあった。

「この(イラク)戦争を産経新聞社はどのように伝えたのでしょうか。日本政府が加担する姿勢を批判したのでしょうか」。森住さんはイラクや旧ソ連の子供たちを撮影し、それを通して平和や反核を訴え続けている。三宅島でNLP(夜間訓練)基地の建設問題が浮上したときも、島や島民を撮り続け、カメラで反対していたのだ。

森住さんは上文に続けて「賞を受けたらイラクの子どもたちに顔向けできなくなってしまいます」と産経新聞にメールを送り、受賞を辞退した。もらえるんだったらどんな賞でも受けるような政治家や芸能人と違って、“漢”(おとこ)なのだ。

続いての“漢”は、サッカー・フランスリーグのモナコに所属するフェルナンド・モリエンテス選手。

かつてはスターひしめくスペインリーグのレアル・マドリードに在籍していたが、ロナウド選手(ブラジル代表)とベッカム選手(イングランド代表)の移籍で追い出されてしまったのだ。格下のリーグで、しかも財政難のチームに放出(レンタル移籍)されたモリエンテス選手のプライドはズタズタになったことは間違いない。その思いがあってか、今回の欧州チャンピオンズリーグでは、同選手の得点王に王手をかける活躍でモナコが準々決勝でレアルを下し、クラブ史上初の決勝にまで上り詰めたのだ。

当然、モリエンテス選手の株も上がる。移籍相場はなんと27億円! 有名チームからのオファーも雨あられだそうな。そんななか、契約期間を2年残しているレアルも名乗りを上げる。レアルの会長・フロレンティノ・ペレス氏は、6日にモリエンテス選手のレアル復帰を明言したのだ。4日の時点では売却の話が出ていたのに…。

ところがどっこい、当の本人は「(会長の)ペレスがいる限り、絶対に戻らない」「ロナウドの控えに戻るのは死んでもゴメンだ」。契約期間が残ってようと、レアルには絶対に戻らないつもりらしい。こちらもやはり“漢”なのだ。

自分の信念を持って容易に相手に与しない人は魅力的である。反骨精神を持つ“漢”たちは、男女を問わずかっちょいいのだ。世間に認められる実力が伴っていての話なんだけれど…。

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