アラスカのお葬式事情。

2004/05/10 11:27 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アラスカでは、ただ今埋葬ラッシュなんだそうです。

とはいえ、つい最近アラスカで亡くなった人が多かったのかといえばそうではなく…。

北極圏も近いこの土地の冬は、10月の終わり頃から4月近くまで続きます。長く極寒のこの時、地面もガチガチに凍ってしまい、遺体を埋葬しようにも硬すぎて穴が掘れないんだそうです。

欧米では火葬は珍しく、お棺をそのまま埋めるのが通例。しかも、棺桶を埋めるために地面に掘る穴はキッチリ6フィート(180cm)と深さが決まってるのです。これだけサイズの穴を掘るのは普通でも一苦労なのに、さらにコンクリートより硬くなった土だと、それはかなり無理が…。

なのでアラスカでは冬の間、お葬式はしてもその亡くなった人を埋葬するのは春の雪解け後まで待つのが一般的なんだそうです。暖かくなった5月の中旬から一ヶ月ほどの期間は、それまでほぼ7ヶ月の期間に亡くなった人達をたて続けに埋葬される時期。それまでは、葬儀屋などが遺体を保存しているんだそうです。

もちろん、この様にお葬式と埋葬の期間を待たされるのが辛い家族や友人も続出しているそうです。時間的ギャップがあるために、どう今は亡き故人に別れを告げたら良いのか…と悩む人も。

で、この問題を解決するために葬儀屋さんは過去に色々アイデアを練ったそうで。冬の前にいくつか埋葬用の穴を掘っておいたり、熱風スチームを地面に吹きかけて地面を解凍しようとしたり…。

しかし、これらはコストがかかりすぎたり、事前に掘られた穴に故人を埋めるのは何となく気が進まないと言った声も多数出て、結局上手く行かなかったそうです。

寒いところに住んでいると、いろいろと不便なことが多いのは想像に難くありませんが、永眠の場所に到着するのも一筋縄で行かないなんて、驚きですねぇ…。

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