東京・杉並区の端っこに、西荻窪という街があるなり。コ○助の地元であり、現在住んでいる街に引っ越してくる以前、26年間暮らしてきた街なりね。かつて松田優作が居を構えていたことから、松田優作を慕って移り住む人も多々。「太陽にほえろ！」のブルース刑事を演じていた俳優の又野誠治さんもまた、松田優作を慕って西荻窪に店を構えたひとりだったなり。

最近はマンションの建設ラッシュが続き、駅舎も改装してかなり見栄えの良い街になった西荻窪。でも、南口から1分。駅舎を出てすぐのところに、戦後のバラックかと思うような飲み屋街が広がっているなりよ。よく、西荻窪に引っ越して来たばかりの人が「夜、一人で通るのが怖い」と言うのを耳にするほど異空間といえるその一帯。そこに、又野誠治さんの店「A-SIGN」があったなり。

コ○助は引っ越しをしたあとも、地元の情報を漏らさないようにまちBBSを覗いているなりが、昨日の夜「西荻窪・西荻スレ」に「さっき柳小路通ったら、はつねの隣の店が封鎖されていて、警察官が何人か立ってた。そのうちの一人が『検死官が……』とかいってた。なんかあったのだろうか」という書き込みを発見。「はつね」というのはカルトQでも取り上げられたことがある、知る人ぞ知るラーメン店なりが、それは良いとして。又野誠治さんの店「A-SIGN」だとはこの時点では思わなかったなりが、この一帯で何か事件があった……。当然、よく知っている場所なのでどこの店で何があったのかと気になっていたなりが、朝になってニュースで飛び込んで来たのは又野誠治さんの自殺の一報。場所は「A-SIGN」だったわけなり。

コ○助は残念ながら「A-SIGN」の赤い看板をいつも見かけていただけで、店自体には入ったことが無かったなり。かなり上級者向けの店に違いなく、はっきり言って一人では入れないし、コ○助のように酒量も飲めない一見さんには敷居の高い店だったなりよ。ただ、実際に行ったことがある人の話を聞くと、店内は非常に狭い数坪のスペースで、壁面には松田優作の写真がたくさん飾られており、又野誠治さんがマスターとして常にいる。そんな店だったようなり。

「太陽にほえろ！」は幼少の頃によく見ていたなりが、ブルース刑事はよく覚えていて、ブルースが好きだからブルース刑事という安直なネーミングが（それは太陽にほえろ！全般に言えることなりが）、子供心にきっと何か感じるものがあったなりね。長身で男前の顔立ちと肉体派のアクション。「太陽にほえろ！」の後期に登場した刑事なので見ていない人もいるかもしれないなりが、若手の、魅力ある刑事だったなりね。

「太陽にほえろ！」以降の又野誠治さんの活動は、コ○助はほとんど知らないなり。聞けばVシネマや舞台で活躍をされていたのだとか。自殺という残念なかたちで他界されることになってしまったなりが、仕事面での悩みとかが原因だったりするなりかねぇ……。まだ43歳という若さ。「A-SIGN」も「太陽にほえろ！」マニアには知られたお店だったようだし、何とも惜しい話なり。

地元の話題ということもあって、ちょっと動揺。まとまりが無いなりが、又野誠治さんのご冥福をお祈りしますなり。