前回のアメリカ大統領選挙、史上稀に見る接戦だったのですが、それに伴いフロリダ州での得票結果に疑問が出るなど、数々の問題が浮き彫りになりました。
そもそも、アメリカがこの時投票方法として採用していたのは「パンチカード方式」。予め候補者の名前が印刷されていて、好きな候補の所に穴を開けて投票、という物です。
しかし、穴が微妙な位置に押されていたり、係りの人の数え間違い等がこの方式の最大の問題点でした。
これでは不味い、とアメリカ政府。新たな投票方法を模索していたのですが、それが「タッチスクリーン方式」と「ネット投票方式」。タッチスクリーンは投票場に用意されたモニターに表示されている候補者の名前をタッチすることにより投票するもの。そして、ネット投票はその名の通り、家庭の一般パソコンから投票する方式で、軍人をはじめとする海外に住んでいる人たちでも気軽に投票できる、というのが売りです。このネット投票、日本でも導入が検討されていますよね。
しかし、この度技術者がこのネット投票は危険だと指摘。
なんでも、「インターネットの構造上」、ハッキングすることは往々にして可能であり、有権者に投票させなかったり、また第3者が誰が誰に投票したのかという監視も出来るとの事。また、これはネットを使っているため、世界中からハッキングの危険性に晒され、場合によっては当選者も操作される可能性もあるのだとか。
ネットの構造上の問題なので、解決策は「ない」というのが技術者の見解。ネットの構造が完全に変わるまではこの制度は導入するべきではない、と警鐘を鳴らしています。
一方、システム開発者は「そんな事はない、過敏に反応しすぎだ。」と反論。
この制度、早ければ今年3月のカリフォルニア州大統領候補者選出選挙から実用化され、本選挙にも使われる予定なのですが、サイバーテロの可能性が指摘された今、事が事だけにアメリカ政府がどう出るか注目です。