小泉内閣高支持率の原動力、自民党・安倍晋三幹事長とは。

2003/09/25 05:12 Written by コジマ

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総裁選後、党内人事や組閣で(賛否両論だが)世間をアッと言わせる“論功行賞”を行った小泉首相。全国紙の緊急世論調査で、65%(毎日、日経)、63%(読売)、59%(朝日)など、昨年9月の日朝首脳会談直後と同じところまで内閣の支持率が急上昇している。その原動力となっているのが、自民党の新幹事長に選ばれた安倍晋三官房副長官。その人気ぶりは、今日行われた民主党と自由党の合併調印のニュースがかすむほどなのだ。将来の総理候補とまでいわれる安倍氏とはいったい何者なのか。

安倍氏を語るうえでかかせないのが、血統である。父は派閥(清和会、現森派)を率いていた安倍晋太郎元外相、母方の祖父は岸信介元首相という超良血なのだ。幹事長就任は3代にわたる。また、今年はベストドレッサー賞にも選出されている。なんでも奥様のコーディネートのお陰だとか。

政治の世界に入った経緯はホームページの自己紹介に譲るとして、安倍氏が有名になったのは、なんといっても対北朝鮮外交なのだ。弱腰の外務省を尻目に、積極的かつ強気の外交で拉致被害者5人を帰国させ、さらに現在も交渉を続けている。

そんな安倍氏だが、芳しくない噂もちらほら。

「学生時代はパチンコばかりしていた」とか、「南カリフォルニア大学は卒業できずに帰国した」とか、「神戸製鋼に父親のコネで入った」とか。超タカ派なのは周知のことだけど、「ネオ国防族」「日本版ネオコン」といわれるリーダー格であり、超派閥の防衛関連議連や勉強会を開き、「徴兵制」や「核武装」を主張する改憲論者でもあるともいわれている。核武装合憲発言などをとっても、その一端がわかるだろう。今回の内閣には、この「日本版ネオコン」のメンバーである中川昭一氏(経産相。父は鈴木宗男氏の殺害疑惑が囁かれている故中川一郎氏)や石破茂(防衛長官、留任)らが表に出てきている。

日本の武装についてはココでは触れないが、学生時代の“遊学”については、渡部亮次郎氏のエッセイで面白いことが書いてあるのだ。同じく総理を祖父に持つ民主党の鳩山由紀夫氏と比較して「鳩山氏には成蹊大学でパチンコばかりやっていたと言う抜けたところがない。付き合っていて、相手を安心させるところは安倍氏に有って、鳩山氏に無いところである。多分、東大入りを子供のころから義務付けられていた鳩山氏に対して、安倍氏は出来ないものは仕方ないんじゃない、と言う母親・洋子さんののんびりした育て方が良かったのではないか」と評している。

最近の日本の政治家になかった「情熱」と「余裕」が、安倍氏の人気の秘密なのかもしれない。

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