フランスで「実験的ツアー」が静かなブーム。

2003/09/11 03:06 Written by コジマ

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バックパックで旅行するのもいいけど、年齢を重ねていくとよほどのバイタリティーを持ち合わせていない限り、「ツアーでいいか」となってしまう。ぼくも28歳にして既にバックパック旅行へ行く気力がないのだ。まあ、人生そのものがバックパックということで(笑)。

だけど普通のツアーだと、ガイドさんの指揮のもと、完璧な態勢で日程が消化されていく。名所を巡り、記念写真を撮って、デューティーフリーでお土産を買って…。旅の醍醐味は少々のトラブルやハプニングである。「普通のツアーじゃつまんない! けど、バックパックはちょっと苦手…」という人にピッタリのツアーが、フランスで静かなブームを呼んでいるのだ。

そのツアーとは、フランスはドイツに近いストラスブールに住む文筆家ジョエル・アンリさんが提案する「実験的ツアー」。アンリさんが設立した「実験的ツアー研究所」が主催している。どういったものがあるのかというと、

・訪れた街をボードゲームのモノポリーのようにサイコロを振って目的地を周っていく「モノポリーツアー」

・街路をアルファベット順にたどる「アルファツアー」

・名所の前で後ろ向きで写真を撮って周るツアー

・カップルが別々に目的地へ向かって、現地でお互いを探し出すツアー

などなど、数十種類あるという。どれも遊び心満載のツアーなのだ。驚きなのは、ツアー参加費をいっさい取ってないという点。参加者は渡航費と宿泊費を払うだけなのだ。まあ、そっちのほうが高くつくという話もあるけど…。

CNNの記事では、「実験的ツアーのポイントは、退屈という概念を吹き飛ばすこと」とアンリ氏が語り、「退屈そうに見える旅でも、一定の制約を決めてそれを守り通すことにより、意外な発見につながるかもしれない」としている。もともとツアーとは一定の制約を強いられるもの。その“制約”を逆手にとって楽しむことは後ろ向きな発想だけど、ぼくを含めた「冒険したくても冒険しきれない人」にとってはピッタリのツアーなんじゃないかな。早く「実験的ツアー研究所日本支部」ができないかなあ。

あ、でも「モノポリーツアー世界版」に参加して、サイコロを振って出た目的地がイスラエルやソマリアだったらどうしよう…。

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