一人サプライズ・ライブ。

2003/08/27 05:35 Written by コジマ

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PE'Z(ペズ)という日本のミュージシャンを知ってますか? 2002年にメジャーデビューした5人組のジャズユニットなんだけど、とってもイカしたバンドなのだ。

そして8月25日に、友達に誘われて赤坂BLITZで行われたライブに行ったのだけど、これがぼく一人だけドッキリライブになってしまったのだ。

当日は仕事の関係で、BLITZに着いたのは7時半。7時開演だったので、すでにライブは始まっていたのだけど、会場は身動きできないほど満員だった。PE'Zのファンがこれほどいたのかと思うと、嬉しい半面、ちょっぴり悔しい。しかし、演奏を聴いていると、普段のPE'Zのライブと違って様子がヘンだ。

PE'Zは激しくドライブ感のある演奏が持ち味だけど、あくまでジャズである。ところがその日の演奏は、ジャズを逸脱していたのだ。いつもよりテンポが速いのは「うーん、こういうアレンジもいいかも」なんて思っていたのだけど、キーボードのヒイズミマサユ機が叫ぶ、飛ぶ、踊る。キーボードにエフェクトをかけまくっていて音が歪む。客も何故かタテノリ。「ちげーよ! PE'Zはジャズなんだ! タテノリしないでくれ!」と心のなかで叫んでいた。

約1時間で演奏終了。「1時間で6000円? 高けーぞ」なんて腑に落ちない気持ちで、ステージのセットをスタッフがあわただしく変えるのを見ていた。昔、あんなバイトしてたな、なんて思いながら、友達とチグハグな会話を繰り広げたのだ。

「1時間で終わりって早くねえ?」
「うん、そうだね。アンコールないのかなあ。ビールでも飲む?」
「は? いや、すぐ(アンコールが)始まるだろ。ここにいようよ」
「そう? まあいいや」
「それにしても今日のPE'Zおかしくなかった?」
「うんうん。なんかね。お客さんに合わせてるのかも」
「(? 合わせてる?)なんか客もタテノリだし、ヘンだよな。(ステージを見て)あれ? 楽器多くない?」
「人数多いからねー」
「なに? 人数増えんの? ゲスト?」
「は? 何言ってんの? 次スカパラだよ」
ガーン!!

その日はPE'Zと東京スカパラダイスオーケストラのダブルライブだったのだ。しかも、どっちかというとスカパラがメイン。どうりで客がタテノリなワケだ。スカパラのTシャツを着ている人が多いのもうなずける。

「な、なんだよ! ビビらすなよ! 先に言えって!」
「おいおい、『PE'Zとスカパラのライブ』って何度も言ったっつーの」
「え、マジ!? 覚えてねーよ!」
「出た。アルツハイマー。『2組も見れてオトクだね』っつったのオマエだろーが。まあ、いいよ。ビール飲も」

ビールを飲んだあと、ぼく一人にとってサプライズ・ゲストだったスカパラの演奏を、タテにノリノリで堪能して帰りましたとさ。ちゃんちゃん。

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