先日、
携帯型地対空ミサイルを密輸しようとしたインド系英国人が逮捕されたが、今回の事件で密輸の対象となったロシア製の携帯型地対空ミサイルは、中東から東南アジアまで広く出回っているらしい。しかも
サウジや
インドネシアでのテロが囁かれているため、米国土安全保障省は議会の要請を受けて、軍用機などに使用しているミサイル防衛システムの民間機への装着を検討しはじめたのだ。
携帯型地対空ミサイルは、旧ソ連製のSAM7「ストレラ」で射程距離は3600メートル、米国製の「スティンガー」は8000メートルと、映画「ブラック・ホーク・ダウン」で登場したロケットランチャー「RPG-7」(射程距離500メートル)とは比較できないほど高性能な兵器。最大射高は3500メートルにも達し、赤外線誘導や熱線追尾でレーダーを使わないため、発射が気付かれにくそうだ。つまり、航空機へのテロにこれほど適した兵器はないのだ。
現在、この兵器を避けることができるのは米大統領専用機「エアフォースワン」や一部の軍用機のみで、民間機は無防備に等しいという。昨年11月にケニア起きたイスラエル民間機攻撃にもこの兵器が使われたそうだ。イスラエルだけでなく、米・英、さらに日本の民間機が狙われる可能性も十分にあり、一刻も早い対応が求められているのだ。