田中耕一さんらの新開発で島津製作所の株急騰。

2003/07/30 03:53 Written by コジマ

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島津製作所の田中耕一フェローが、ノーベル賞の受賞対象となった「生体高分子の同定および構造解析のための手法」を応用した、癌などの病気の原因となる蛋白質分析の新手法を開発した。これによって島津製作所の株価が大幅に上がったのだ。

まず、「生体高分子の同定および構造解析のための手法」とはなにか。薬をつくったり、病気の検査をするのには人間の体をつくっているいろいろな蛋白質を判別(分析)しなきゃいけないらしいのだけど、以前にあった方法では、レーザー光線を蛋白質に当てると蛋白質をつくっている分子が小さく分けられすぎてしまい、分析できなかったそうだ。でも田中フェローが開発した
「ソフトレーザー脱着法」は、分子を分けないで分析(同定および構造解析)することができるようになったのだ。これは蛋白質だけでなく、分子の数が多い(生体高分子)ものにも使うことができる。これらをすべて合わせて「生体高分子の同定および構造解析のための手法」というそうなのだ。

そして、今回の新開発は、この手法を応用して患者の血液に薬を入れ、健康な人と比べて特定のたんぱく質の量が増えていないかどうかを調べるものなのだ。

この薬(試薬)を 10月に製薬会社や研究機関向けに発売するそうで、島津製作所の株は東証一部での売買高が6番目になるなど、大幅に株価を上げた。

それにしても「フェロー」ってなんだ? と思ったら、本来の意味は「大学の特別研究員」(大辞林)だが、これは「フェローシップ制度」を指すもので、「企業などで、特定の分野できわめて高い能力を持った人材を対象に特別な待遇を与える人事制度」(デイリー 新語辞典)だそう。またひとつ勉強になったのだ。

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