「天才ストライカー」と「ガラスのエース」。小倉選手を語る上で必ずキーワードとして出てくるのがこの冠。若かりし頃の小倉選手は将来を嘱望された、日本のFWは当分は安泰とまで言われるほどの期待を集めた、そんな選手だったなり。

小倉選手が注目されたのは、四日市中央工業高校時代から。エースストライカーとして活躍した小倉選手は、四日市中央工業の全国高校選手権大会優勝に大きく貢献し、名古屋グランパスに入団。華々しいJリーグデビューののちにオランダにサッカー留学、その才能を誰もが認め、当時日本で最も信頼できるストライカーだったカズ選手を引き合いに出し、「カズを超えるのは自分」と豪語するなどビッグマウスも目立っていたなりが、誰もがそれを疑うこともないほど才能が認められていたなりね。ここまでは彼の「天才ストライカー」時代。その後、繰り返し彼を襲ったケガによって「ガラスのエース」と呼ばれる時代へと突入するなり。

小倉選手は名古屋グランパス入団後、エクセシオール（オランダ）→名古屋グランパス→ジェフ市原→東京ヴェルディ1969→コンサドーレ札幌と移籍を繰り返し、昨年末にコンサドーレを解雇。その後オランダに渡って複数クラブの練習に参加していたなりが、結局オファーが出ることはなく、J2のヴァンフォーレ甲府へとたどりついたわけなり。

過去の栄光、そう言ってしまえば簡単なりが、その栄光をリアルタイムに見ていた人にとっては、今の小倉選手の状況は悲しい限り。たどり着いたのがJ2とはいえ、J1昇格という大きな目標達成の原動力になるくらいの活躍を見せて欲しいなりね。本当に頑張って欲しい選手の一人なり。