経済産業省、ハッカーのための「甲子園」開催。

2003/05/23 21:15 Written by

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日本がコンピュータソフトウェア後進国と言われて久しいですが、こんな状況を打破する狙いか、経済産業省が高校生や専門学校生を対象に「第一回セキュリティ甲子園」なるものを開催するそうです。20チームを募って、セキュリティホールのあるサーバを与え、お互いにその侵入・防御技術を競い合う、とのこと。

この手の企画としては真っ先にロボコンが思い浮かびます。学生たちが様々な工夫を凝らして、ロボットを製作していき、与えられたお題であるゲームで対戦し、トーナメント勝ち抜きを目指す、というアレですね。時々思い出したようにテレビで放映しているのをみると、大変面白い催しだなあと思います。このロボコンがハードウェア技術という土俵での闘いなら、セキュリティ甲子園はまさしくソフトウェア技術でのそれと言えますね。ハードウェアの分野ではお家芸とも言われる強さを持つ日本ですが、こちらではまだまだといった印象です。

元々、日本はソフトウェアに国策として取り組む、という考えが希薄な国のようで、日本の代表的なソフトウェア産業は?と問われても、まずアニメが思いつくくらいで、それに続くものがなかなか出てきません。アメリカはその点、そういったソフトウェア等、知的財産を他国に先んじて守るのに熱心な国と言えます。かつてのクリントン政権でゴア副大統領が唱えた、情報スーパーハイウェイ構想もNTTが打ち出した全国・全世帯を光ファイバ網で結ぼうという計画に触発されたとも言われていますし。この間、NHKのプロジェクトXでも国産のTRONを取り上げていましたけど、こういったOSなどの分野でも、例えばWindowsのマイクロソフトを国を挙げて強力にプッシュしたりする訳です。そういった環境の中で、この催しはなんとか状況を変えていきたいという政府の意思みたいなものが具体的に感じられて、良い兆候なのではないかと思います。

お役所にしては珍しく、なかなか粋な試みだと思えるこの企画。日頃仕事で情報セキュリティに関わる機会が多いのもあって、ぜひ観戦してみたいものですが、内容が内容だけにテレビ放送に馴染まないこと請け合いです。オンラインでリアルタイム多面中継でも行ってもらえるとよいのですが。


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