愛しのたくましマッスルカー。

2003/05/09 03:52 Written by コジマ

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何を思ったかマッスルカーを購入してしまいまして。それがまた買ったばかりだというのにトラブル起こりまくりでありまして。

マッスルカーとは、1960年代中頃から隆盛をきわめた大排気量エンジンを搭載したスポーティーなアメリカ車を指す言葉。ぼくが買ったのはフォードのマスタングという車なのだ。映画「ブリット」でスティーブ・マックイーンが乗ってたヤツや「60セカンズ」でニコラス・ケイジが「エレノア」と呼んでいたクルマとだいたい一緒。生まれは1965年なので、ぼくの10コも上である。

排気量は約4700cc(289キュービックインチ)。7000〜8000ccがざらのマッスルカーのなかではおとなしいほうではあるのだが、前に乗っていたレガシー(通称レガオ)は1800ccだったので、その(無駄な)パワー、トルクは比べるべくもなく、「キャー! たくましマッスルゥ!!」とウットリしてしまうのだ。ちなみに女性にはウットリされません。熱っぽくマスタングについて話すぼくを「コイツ、バカじゃねーの。もっといいクルマ買えよ」といった目で大抵の女性は見てくる。家族にもウットリされません。「オマエは十分不良なんだから、何もクルマで表現する必要はないだろうに」と面と向かって言われます。友達は多少ウットリしてくれます。でも「いやあ、すげえな。乗りたくないけど」とか「うらやましいぜ。欲しくないけど」と一言多い。さらに燃費が悪かったり、駐車場に夜中帰るのを遠慮したり(ウルサイので)と、かなりの障害があるのだ。

それでも購入した理由は、かっちょいいから。ぼくのなかでは快適<かっちょいい、周りの白い目<かっちょいいであり、故障が多い<ワクワクだったのだ。トラブルが多いクルマだけど、自分で勉強してちょこちょこいじっていったら愛着が湧くだろうなあ、と思ったわけである。

しかし、そのトラブルが買って数日で次々とやってくるとは思わなかったのだ。

まず、購入当日、クルマ屋さんの我孫子から帰ってくる途中、水戸街道のど真ん中でエンストした。前に乗っていたレガオがマニュアル車だったので、いつもの調子で「あら、またやっちまった。カッチョワル」とクラッチを踏もうとしたのだが、スカッ。クラッチがない。ぼくのマスタングはオートマチック車なのだ。「オートマ車ってエンストしたっけ?」。ちょっと焦りながらもエンジンキーを回す。しかし、ウンともスンとも言わない。そしてぼくの後ろには早くも大渋滞が形成されてるではないか。急いでクルマ屋さんに電話する。
「あ、あの、6号のど真ん中で止まっちゃったんですけど!」
「え!? ホント!? 水温計は? ガソリンは?」
「両方とも問題ありません。でもエンジンかからないです。」
「セルモーター(キュルルルと鳴るエンジンを起動させるもの)は回ってます?」
「セルも回りません。うえーん」
「おかしいなあ。シフトはパーキングに入ってますよね」
「は? ぱーきんぐ? ぱーきんグッ! 入ってません」
長いマニュアル車生活のために、オートマではシフトレバーをパーキング(P)に入れなければエンジンがかからないことをスッカリ忘れていたのだ。

パーキングに入れてエンジンキーを回すと、「キュルルル、ズゴーン!」勢い良くエンジンが動き出した。平謝りにクルマ屋さんに謝るぼく。しかし、何でエンストになったんだろう。
「マスタングはキャブ車なんですよ」
キャブ車? イエローキャブ? タクシー? 小池栄子?
「バイクと同じ構造なんですね。アクセルを踏みすぎると、ガソリンが過剰に供給されてプラグがかぶっちゃうんです。それでスパークしなくなってエンジンが止まっちゃうんですね。すぐに直りますけど」
アクセル踏みすぎたっけ? けど動いたからまあいいや。ということで、そのまま家に帰って無事に駐車場に入れることができたのだが、これは単なるプレリュードにすぎなかったのだ。

つづく

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