パソコンとホコリ。

2003/05/06 04:20 Written by コジマ

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ぼくの部屋はキタナイ。部屋に来た人間が、口をそろえて「実家でここまでキタナイ部屋は見たことがない」と言うくらいだから、そりゃあもう、想像を絶するほどなのだ。

その部屋を片付けようと決断したのは、先日、友達からワイドテレビを譲り受けたときだった。ぼくの部屋は、テレビ台の上に壊れた21型のテレビが置いてあり、その前にある雑誌を台にして上に板を敷いた即席テレビ台に置いた14型の小さなテレビを見るという、わけのわからない状態になっていたのだ。21型も14型も処分して5畳の部屋に不釣合いな28型ワイドテレビを置いてみると、部屋全体がキタナイのにテレビだけ妙に「近代的だぜ」と主張していて、広さにだけでなく部屋の雰囲気に合わない。こりゃあ、いよいよ掃除するしかないなと思い、「どうせやるなら徹底的に、15年間くらい手をつけてないところも掃除しよう!」と、「聖域なき構造改革」を打ち出したのだ。

そして、まず目についたのが、1年ほど掃除をしていないためにホコリまみれにまみれたパソコンだった。掃除ついでに場所も変えようと、電源を全部抜き、パソコンの穴という穴から掃除機の出力マックスでホコリを吸い込み、前もって掃除しておいたフスマを取り除いた押入れに置いて電源をつないだ。

しかし、スイッチを入れてもディスプレイには何も映らない。真っ黒である。スイッチを長押しして電源を切り、再び電源を入れても同じ状態なのだ。しかも、何度も繰り返すうちに電源が切れなくなってしまったではないか。これは調子が悪いのだなと思い、友達に電話してみる。
「あのね、電源入れてもね、画面が黒いのね」
「ウィンドウズが立ち上がらないのか?」
「うん。それにね、黒くて何も文字が出ないのね」
「DOS/Vも立ち上がらないのか!? ヤバイなそれは」
「ハードディスクがね、最初にカリカリって2回だけいってすぐ動かなくなるのね。あとコンセント抜かなきゃ電源が切れないのね」
「あーもーそりゃダメだな。うん、ダメだ」
「なに!? ダメ!? 壊れたの? ウソ!? ちょっと待って、中身は?」
「オマエ、外付けのハードディスク使ってるだろ」
「そっちはMP3しか入ってないのね」
「じゃあ、ダメだな。はい終わり。新しいの買えって。最近のパソコンは安くて高機能で…」
「いや、中身は? オレの書きためた文章たちは?」
「だから、ダメだっつーの。諦めろ。消えてなくなったと思え。じゃあな」

ディスプレイと同じく、ぼくの目の前も真っ暗になった。他の何人かに訊いても答えは似たようなものだった。現実逃避でゲームに没頭しようとした瞬間、電話に出なかった友達の1人から折り返しの電話が来た。そいつが、ヤバイ状態だけど、もしかしたら直るかもかもしれないと言うので、翌日、タオルでグルグル巻きにしたパソコンを持って、車で30分ほどのその友達の家に駆けつけた。

別のディスプレイにつないでも状態は変わらなかった。友達がパソコンに耳を当て、音を聞く。「ハードディスクは動いているね。もしPCがダメでもHDを移植すれば中身は大丈夫かもしれない」。おお、医者みたいだ。そのドクターKのような言葉にぼくは少しだけ安堵した。そして、パソコンのフタを開けたドクターKが叫んだ。
「なんじゃコリャ!!! キタネエ!!」
「ありゃー。一応外から掃除機で吸ったんだけどねえ」
「掃除機で吸うな! このメモリはヤベエよ」
「へー、それがメモリかあ。初めて見た」
「そんなことどうでもいいよ!」
ドクターKが丁寧にメモリのホコリを落とし、再びスロットに突っ込んで電源を入れると、「ウイ〜ン、カリカリカリカリ、ウイ〜ン」懐かしい音を立ててウィンドウズが起動した。

その後、家に持って帰っても動いたのだが、2日後にまた同じ状態になってしまった。ドクターKの真似をして、フタを開けてメモリを拭いたのだが、今度はぜんぜん起動しない。しかたなく新しいメモリを買って(秋葉原で256Mヘルツが3,000円くらいだった!)付けてみると、ようやっと快調に動き出した。それからは全く故障の気配もないが、恐ろしいので外付けのハードディスクにすべて移して、近々ウィンドウズの再インストールをしようと思っているのだ。

コレだけではないけれど、以上がお休みしていた最大の理由だったのだ。ごめんなさい。これからはガンガン更新するので暖かく見守ってほしいのだ。

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