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【豆腐デザート用に豆腐作り 失敗編 2004.05.21】 (取材・文 Narinari.com取材班)

豆腐から作ってしまえ!

 ここ数年、日本ではにがりが健康食品として注目されていますよね。インターネットで検索するだけで、いろいろなにがり製品が売られているんだなぁ、とアメリカにいながらにして感心。色々と読んでおりました。読みながら、にがりに興味を覚えてしまったウォール真木。しかし、にがりの健康的な効能などの説明はこの際置いておきます。なんといっても、私のライフワークはアレです。そう、豆腐。大豆とにがりさえあれば、家庭でも結構簡単に作れるそうですよね。そして、豆腐デザートを極めるためには、豆腐自体も手作りしてみなければ……と、考えるに至ったワケです。

 と、いうわけで買いました。にがりを(笑)。わざわざ日本から個人輸入するのは面倒なので、アメリカで売っているところを探しました。するとニューハンプシャー州でインターネット販売をしている会社を発見。さっそく注文しました。一袋16オンス(453.6グラム)が200円程度で売られていたので「これって、かなりお得?」と。あまり深く考えずに、さっくりと4袋も注文しちゃったんです。

 届いたそのにがりの量に驚きました。思わず計算しました。一袋16オンスということは……。1オンス(28.35g)x 16 x 4袋 = 1,800g。豆腐一丁作るのに必要なにがりの量は大さじ一杯程度で、試しに計量してみたら、固形のにがり大さじ一杯は約10g……。と、いうことは、軽く180丁の豆腐が出来ますね。ウォール家には、そんなわけで、ただ今大量のにがりがございます。

どこ行く豆腐デザート特集

 作るもの作るもの、最高にまずいか、豆腐の味が全然しないかのどちらかで、ある意味、味覚の迷路に迷い込んだまま出口が見付からない豆腐デザート特集。その打開策のひとつとして、豆腐という素材から作ってみるべく購入した大量のにがり。「うまい豆腐デザートは、うまい豆腐から出来るに違いない」との信念から、いや、思い込みからNarinari.com特別イベント「豆腐作り」がウォール家では企画・実行されることになりました。

 しかし、巷ではすでにかなりの数の「手作り豆腐」についてのホームページが作られていることも事実です。「特別企画」なんですから、何か「スペシャル」なことしなければ面白くありません。そう思っていたら、最近、私の豆腐ライフワークにいたく共感してくださっている「豆腐メイト」の某女性から「ここはひとつ、まさしくアメリカンサイズな豆腐をガツンと作ってみてはどうでしょう?」とのご意見が。巨大豆腐……、それはインパクトありそうです。幸か不幸か、巨大な代物を作るために必要な大豆もにがりもタップリあることですし(笑)。


大豆くんとにがりくん

2キロもありやがる

 豆腐の作り方の材料と分量は以下のとおりだそうです。ここは思いきりよく、通常の4倍の分量で大豆8カップにしてみることにしましょう。

 豆腐の材料 (一丁分)

● 大豆 2カップ
● にがり 小さじ 2杯 (又は大さじ 1杯)
● 水 適当 (色々な分量がインターネットで提唱されています)

 鍋に8カップ分の大豆を入れてみましたが、思ったほどの分量は無いですねぇ……。まあ、これに水を入れてふやかせば量が増えるとは思いますが。と、乾燥大豆の写真を撮っていたところ娘たちが、母がまた何かたくらんでいることを嗅ぎつけ、やってきました。


たいした量ではない大豆

遊びに来た娘一号

何やら楽しんでおります

 そんな彼女たちを蹴散らして、鍋に水を張ります。大豆に水を吸わせるには一晩ほど置くのが良いそうです。と、いうわけで、初日の仕事はこれにて完了。

 寝床につきながら、いったいどれくらい大豆が膨らんでくれるのか、ワクワク、ドキドキしてなかなか寝付くことができませんでした(笑)。こんな気持ちは小学校の遠足の前日以来だなぁ。とはいえ、前日のハードな豆腐作り(嘘)に疲れていたのか、気が付いたら寝ておりました。そして10時間後。目覚めと共に、真っ先に向かったのはキッチン。大豆くんの膨れっ面を見にいかなくてはいけません。すると……。見事に膨らんでいるではありませんか。大豆を押すと柔らかくなっているのがわかります。

 今度はこれをフードプロセッサーにかけて攪拌(かくはん)して、豆乳の元である「生呉(なまご)」というモノを作ります。大豆が固すぎて攪拌が難しい場合には、ここで多少水を加えると良いらしいです。


ドガガガガガ……

生呉大完成。多すぎ。

 出来た生呉は巨大ボールに2杯分もありました。水を加えたせいか、左側の方がドロドロしています。しかし、このボール1つ分だけでも結構巨大な豆腐が作れそうです。

 次の工程はこのドロドロの生呉を鍋で煮て、絞って豆乳とおからに分ける作業をしなければいけないのですが、、全部一度には鍋に入りきりません(涙)。そのため、やむを得ず何回かに分けて作業をすることにしました。そして、この数回に分けた豆腐作りが、大変な困難を極めたのです……。

 まず、一回目。


グルングルン

ヨイショヨイショ

あれ、なんだか水分が……

 思いのほか煮すぎてしまい、水分が蒸発してしまいました。でも大丈夫! 強引にさらに水を加えて対処。しかし、生呉は煮ると泡がぶくぶく出てきます。フワフワで美味しそうですが、豆腐作りには泡はちょっと邪魔者。なので、泡は取り去ることに。そして完成したのがこちら。


フワフワ感が伝わるかしら?

ムースみたいで美味しそう

 ふうわり、ふうわり。本当にムースみたいなんです。とても美味しそう! 我慢できなくなって、試しに口に入れてみたら、当然ですが豆乳の味がしました(笑)。

 さて、10分ほど焦げ付かないように常にかき混ぜて、それが煮上がったらこれを濾します。ガーゼをざるに広げて、その上にアツアツのムースのようになった大豆をいれ、ヤケドしないように絞ります。


大豆をガーゼで包む

熱いので鍋つかみ登場

おからと豆乳が離別

 ガーゼで包み、上からラップをかけ、さらにその上に鍋つかみを置いて、ヤケドしないように押さえつけて絞ります。そうして出来たのが豆乳とおから。ここで、出来立ての豆乳とおからを味見することに。


豆乳くん

おからくん(大量)

 豆乳はお砂糖を入れて飲んでみたら、かなり美味しいホット・ドリンクになりました。これは良いですね。おからは……、ボソボソしてました(笑)。なんだかアフリカ料理の「クスクス」みたいな食感です。まずくはないんですけどねぇ。

 さて、作業に戻ります。今度はこの豆乳を再度温めます。70度ぐらいが目安だそうです。鍋に戻してグツグツ、グツグツ……。そして、豆乳が温まったら火からおろし、遂に登場、にがりを1カップ程度の水に溶かして加えます。


手前のカレーは晩ご飯

にがりくんを豆乳に投入!

 参考にしたインターネットでの資料によると、この瞬間、すなわちにがりを投入した瞬間に豆乳の凝固が始まる……はずなのですが。


さらさら〜

さらさらさら〜

さらさらさら〜

 あれれ? にがりの量が少なかったのかな? と、再度投入してみましたが、液体のまま……。あれれれれ? なぜなのだ? インターネットで調べてみますと、にがりの主成分である塩化マグネシウムが豆腐のたんぱく質と反応して凝固するためには、ある一定の温度以上でなければいけない、という記述を発見。手を抜いて温度計使わずにいたので、きっと豆乳の熱さが足りなかったものと想像されます。やはり手抜きはいかんです。豆腐はデリケートなのです。

 まあ、仕方がないので、この失敗作は豆乳として消費しようということに。しかーし! これを飲んだら苦いのなんのって。にがりは「苦汁」とも書くとおり物凄く衝撃的な味です。お豆腐屋さんでよく、豆腐が水につかってますよね? あれはてっきり豆腐の表面の乾燥を防ぐためにやっていると思っていましたが、実はそれだけではなく、豆腐を固めた後に余分なにがりを水中に逃がして、豆腐の味をととのえているのだそうです。なるほど。残念ですが、豆腐チャンレンジ第1号は失敗作として流しに……(涙)。こんなはずではなかったのに。

 気を取り直して、2回目。先ほどの失敗で、豆腐作りの過程ではにがりを打つ時の温度調節が、とても大切だということを学びました。同じ過ちを犯さぬよう、今度は鍋の中に差し込んだ温度計の目盛りを確認しながら作業を進めます。そして75度、華氏にして約170度弱の頃を見計らってにがりを入れます!


しっかり温度を測って

再びにがりくんを豆乳に(略

固まってきた!

 うおお!やったー!成功だぁ!あとは15分ほどそのまま放置し、凝固したその豆乳を型に入れて、余分な水分を抜けば完成です。

 水分を抜くには少々時間がかかりそう。なので、万全を期して一晩放置しておくことにしました。ガーゼを敷いたざるに豆乳を上げ、上から水を張ったボールを重しにしてギューッと押さえることに。しかし、これがなんと、一晩重しをしたにも関わらず、全然固まらない、フルフル状態のままのダメな豆腐になってしまったのです。強引に水を絞ろうとガーゼを絞ったら、凝固したはずの豆乳も濾されて流れていってしまいました……。

 いったいなぜなんだ! 再度インターネットで調べたところ、にがりを入れた後にあまり勢い良く混ぜると、これも固まらない原因になると分りました。そういえば凝固し始めたのを見て大喜びだった私は、グールグールかき混ぜてたような。

 結局、豆腐チャレンジ第2号は、凝固したものの豆腐にはならず……失敗。

 さらに気を取り直して3回目。写真は割愛しますが(と、いうよりこの辺からデジカメ撮影を忘れるほど、のめりこんだ)、3回目は温度確認、にがり投入後は混ぜない……という「豆腐手作り」2大原則を守ったものの、やはり凝固がゆるすぎて豆腐として固めることが出来ませんでした。どうやら、にがりを入れた後に温度が下がるのが原因みたいです。

 にがりを溶かす水をこれまた70度程度に温め、さらににがりを加えた後も15分は70〜75度に保つのが良いそうです。それを知らなかったがために、結局かなりの量の大豆とにがりを無駄にしてしまいました……。落ち込み。しかしながら、豆腐はできなかったけれども、おからが副産物として出来ました。洒落にならないほど大量に(笑)。どうしましょう、こんなに……。次回は豆腐作り、成功するのでしょうか?

(つづく)