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【日米「食」比較 Part 1 2004.02.24】 (取材・文 Narinari.com取材班)

日本より小さいアメリカン・サイズ

 アメリカン・サイズと言えば、誰もが思い浮かべるのは「ビッグ」なイメージ。確かにファーストフードのハンバーガーもバカみたいデカいし、ソーダなどのドリンク類も日本とは比較にならないほどデカい。アメリカの人たちは根本的に体格が日本人と異なることから、その違いがそのまま食べる量にも反映しているためだと思われます。大きいことはイイコトだ!とばかりに何もかも巨大だというイメージは、あながち間違っているとは言えません。

 しかし、日本でポピュラーな「ある」食べ物は、珍しくアメリカでは日本のものよりも小さいのです。その「ある」食べ物とはなんなのでしょうか。

 それは、食パン。日本の食パンは大きい。そして美味しい。アメリカの、いや調べた限り欧米中の食パンは日本のそれより若干小さいのです。

さっそく比較に挑戦!

 用意したのは、日本のものも、アメリカのものも、ごくごく普通のスーパーで手に入る食パン。これを定規で測定するという、非常にアナログな方法で比較してみました。写真を見れば一目瞭然、ほんとうに日本の食パンの方が大きいんです。ご存知でしたか?

日本の食パン   アメリカの食パン
 
約13cm強   約10cm

 日本の食パンの大きさは約13cm四方。対して欧米の食パンは4インチ(約10cm四方)が普通のサイズ。ちなみに、日本の食パンの厚さは種類によってまちまちですが、欧米の食パンの厚さはだいたい1cm、「厚切り」だったとしても1.5cmぐらい。日本の食パンでよく見かける、一斤を4つ切りにしたような分厚いものは、まず無いと言って良いと思います。

 もうひとつ。パンの一袋分の塊の長さは、こちらでは1フィート(約30cm)ほど。この点に関しては日本の一斤サイズより長めとなっています。1枚ずつの大きさは日本の方が大きいですが、トータルの量ではアメリカの勝ち。結局、これってアメリカン・サイズ?

なぜ日本の方が大きいのか

 さて、この食パンのサイズ。なぜ日本のものは欧米サイズより大きめなのでしょうか? パンは欧米から日本に伝えられた食品のはずなのに、なぜ日本で巨大化したのでしょうか? 少しばかり、食パンの歴史を調べてみる必要がありそうです。

 日本の食パンは、イギリス人のロバート・クラーク氏が開業した「ヨコハマベーカリー」が売り出した、イギリス風山型および角型食パンが元祖と言われています。クラーク氏がイギリスから横浜にやって来たのは文久2年(1862年)のこと。当時はイギリス人の居住者が他の国からの移民と比べて格段に多く、そのぶんイギリス式パンの普及も勢いが良かったと考えられます。

 当時の日本では、パンは嗜好品として扱われており、上等なパンの「耳(=crust クラスト)」の部分を切り取って、真ん中の白い部分(=crumb クラム)だけを食べていたそうです。これは、日本人がフワフワ感を好み、フランスパンのようなクラストのカリカリしたモノは好まなかったからなのだとか。現在でも、サンドイッチを作る際に、日本では「耳」の部分を切り落とすことが多いですよね。アメリカやイギリスでは、「耳」は残したままにしておくのが通例です。

 こうした日本人の嗜好の結果として、「真ん中の白い部分がより大きいものが欲しい」→「それならばパンをもう一回り大きくすれば良い」という流れになったのではないか。現在のところ、これが通説となっているようです。

 食パンひとつにも、その国の文化などが反映されているんですね。