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【世界のクリからこんにちは 2004.02.22】 (取材・文 Narinari.com取材班)

栗を食べよう!

 秋の味覚の代表格でもある栗。ひとつひとつの粒が小さいこともあって、ついついいつまでも食べ続けてしまいますよね。以前は通年で食べようと思ったら、水煮やシロップ漬けになっているもの、お菓子になっているもの、もしくは街中で「天津甘栗」の看板で販売されている焼き栗を探す必要がありましたが、今はコンビニで手軽にアルミパウチ包装の焼き栗が買える時代。砂糖などを一切使わない、天然の甘みを楽しむことができるこの手の製品、ちょっと口寂しいときなどに、大変重宝します。

 栗はビタミンや鉄分、カルシウム、食物繊維といったものが多量に含まれ、健康に良いことで古来から知られています。血液の循環を良くすることから肌の調子を整えるほか、冷え症にも効果てき面。食物繊維も多いので、便秘にも効果的です。まさに女性の味方。また、血糖値の上昇を抑える効果もあるので、糖尿病などが心配な人にもバッチリです。

ところ変われば味も変わる?

 日本と栗のつながりはかなり古く、縄文時代の三内丸山遺跡からは大規模な栗栽培の跡が発見されたといいますから、最低でも5,000〜6,000年ほどの歴史があることになります。ただ、「栽培跡」ということからも分かるように、野生種を収穫して食べていた時代は、もっと遡ることができそうです。この頃栽培されていた栗は、主に「日本栗」と呼ばれるもので、かなり大粒のもの。コンビニなどで手に入る栗は、いわゆる「中国栗」と呼ばれる小粒のものなので、種類が異なります。

 栗には「日本栗」「中国栗」のほかに、「西洋栗」「アメリカ栗」といった呼び方をする種類があるそうです。一般的に、その味は「日本栗>中国栗>西洋栗・アメリカ栗」といった順で、日本栗が味の深みや甘みで一歩抜け出しているのだとか。本当にそれほど味が違うものなのでしょうか。実際に食べ比べたことが無いのに、疑問に思っていても何も解決しない。と、いうことで、手に入る範囲ですが、世界の栗を食べ比べてみることにしました。それが下の表のとおり。

中国代表 フランス代表 スペイン代表 イタリア代表 日本代表 日本代表
世界の甘栗
(共栄洋行)
世界の甘栗
(共栄洋行)
世界の甘栗
(共栄洋行)
世界の甘栗
(共栄洋行)
甘栗太郎
(なとり)
甘栗
むいちゃいました
(カネボウフーズ)
河北省産 アルデシュ産 オレンセ産 ピエモンテ産 河北省産 河北省産
こげ茶色 薄い黄土色 薄い茶色 薄い茶色 こげ茶色 こげ茶色
甘み強い 普通 甘み弱い 甘み弱い 甘み強い 甘み強い
ねっとりとした舌触り。 ボロボロと脆い。噛むと崩れる。 ボロボロと脆い。噛むと崩れる。 やや硬めの食感。 ねっとりとした舌触り。 ねっとりとした舌触り。
中国の悠久の歴史を感じる、伝統的な味わい。 独特の風味。ジダンのようなバランスの良さ。 「無敵艦隊」を思わせる、力強い味わい。 食後にシナモンのような芳香。風味が心地よい。 実質中国産と同じものだが、やや薬品くさい印象。 実質中国産と同じなので、大差なし。慣れた味。
☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆☆☆

 今回の比較は、ある程度条件をそろえるために「アルミパウチ包装になっている、比較的安価で手に入りやすいもの」を対象に行いました。純国産やアメリカ産の甘栗も探したのですが、残念ながら今回は見つけることができずに断念。

 結論から先に言ってしまうと、栗は種類によってずいぶんと色も味も、風味も食感も異なるようです。まず率直に驚いたのは見た目の違い。特にスペイン産の栗は写真のとおり薄い茶色をしているのですが、パッケージの写真では、さらに白みを帯びています。すべてローストした栗という条件での比較ですので、黒っぽいものが焼き栗、白っぽいものが煮た栗といった違いではありません。素材の持つ、天然の実の色自体が異なるようです。

 甘みが一番強いのは中国産のもの。日本代表として参戦した「甘栗太郎」と「甘栗むいちゃいました」も中国産なので、甘みは強め。日本人が最も慣れ親しんだ味わいです。反対にスペイン産やイタリア産の栗は甘みがあまり有りません。栗のホコホコとした食感はあるのですが、甘みがかなり弱いので、百合根を食べているような印象。お菓子などに使う際に、シロップ漬けにするには良いかもしれません。

 食感は中国産のものは、ねっとりと舌に絡む感じ。反対にスペイン産やフランス産は一口噛むとボロボロと崩れてしまい、口の中でいくつにも分裂しているのがすぐにわかります。

 単純に食べ慣れているせいもあるかもしれませんが、中国産の栗は比較的美味しいと感じました。「日本栗>中国栗>西洋栗・アメリカ栗」という序列は、あながち嘘ではなかったようです。ただ今回比較したなかで、「甘栗太郎」に関しては、実際には使っていないと思うのですが、やや薬品くさい印象を受けました。製造過程でなにか違いがあるのかもしれません。

 なじみの食材も、世界各地のものを食べ比べてみると、いろいろな発見があって面白いもの。皆さんも機会があればぜひ試してみてください。