home > special > 【特集】名古屋グルメ探訪記 Part 2

【名古屋グルメ探訪記 Part 2 2004.02.12】 (取材・文 Narinari.com取材班)

名古屋といえば味噌!

 名古屋の料理というと、味噌カツやどて煮、おでんにも味噌と、味噌を使ったものが実に多いですよね。と、いうわけでお次はどて煮にしようかと思ったのですが、飲み屋の開いている時間ではなかったので、味噌煮込みうどんにターゲットを絞ることにしました。スガキヤでラーメンのあとは味噌煮込みうどん。炭水化物大好きです。

【山本屋本店の味噌煮込みうどん http://www.yamamotoyahonten.co.jp/
山本屋本店vs.山本屋総本家
 名古屋の味噌煮込みうどんの名店といえば、名古屋人は必ず「山本屋」という名前を挙げるらしいのですが、名古屋には2種類の「山本屋」が存在します。その件に関して、カウガールさんも触れてくれているのでご紹介を。

「名古屋といったら味噌煮込み。味噌煮込みといったら山本屋。ここで難解なのが山本屋にも2種類あるということ。山本屋本店と、山本屋総本家という店がある。どっちがどうなんだろう?でも、私が食べた感じでは本店の方が名古屋人向けなコッテリタイプの味噌煮込みで、総本家の方はアッサリタイプといった感じ。総本家は祖母が勤務していた関係でよく食べたが、個人的には本店が好きで何店舗もある中でエスカ店が一番好き。接客態度の良さときたらもうピカイチで、ここに来たら他には行けない。」(カウガールさん談)

 若干味の違いがあるようなのですが、カウガールさんもなぜ2種類存在するのかはあまり分からないご様子。なので、代わってNarinari.com取材班が調べてみたものの、「総本家」が「本店」を真似たという話を見つけた程度で、はっきりしたことはどうも分からず。本家の跡目争いでケンカ争いしたのが元で、2種類存在することになってしまったのではないかと勝手にストーリーを組み立ててみましたが、真似だとしたら同じ名前を付けた後発の店のほうは、なかなかえげつない戦略ですね(笑)。 ちなみに山本屋本店は明治40(1907)年の創業、山本屋総本家は大正14(1925)年の創業。今の状況が大正時代から続いているのは、驚くべきことです。

 余談ですが、山本屋本店のホームページには、次のような記述がされています。
 「弊社は全店『山本屋本店』ののれんで営業しております。まぎらわしい名前のお店がございますが、弊社とは一切関係ございませんので、ご注意下さい。」
 かなり挑発的な文言だこと……。

●山本屋本店の味噌煮込みうどんを食べる


 さて、そんなケンカ状態の山本屋本店と山本屋総本家。カウガールさんは山本屋本店(元祖と認識されている方)を薦めてくれたので、私たちも山本屋本店の方に向かうことにしました。

「名古屋人の冬の定番と言ってもいいほどよく食べる味噌煮込み。家庭で作った味噌煮込みももちろん好きだが、やっぱりお店で食べる味噌煮込みは一味違って旨い!まず注文すると、『おしんこ』が出された。どうやら食べ放題らしく、この日店を出るまでに3度も店員さんが補充してくれた。感激。」 (カウガールさん談)

 そうなんです。うどんにデフォルトでお新香が付くのです。味が濃厚な味噌煮込みうどんだけに、ちょっと口直しをしたい気分になったときに有り難いはず。お代わり自由というのは、とても素敵ですよね(←庶民的)。ちなみに、山本屋本店では、一味唐辛子と七味唐辛子の両方を用意。これ、大したことでは無いかもしれませんが、結構ニクい気配りだと思いました。七味に入るケシの実の食感やミカンの皮の香りが好きではないという人も多いだけに、一味もちゃんと用意しているのは素敵だなぁ、と。ここだけ見ても、老舗の細やかな気配りを感じます。

 食べるときには、味噌がはねて洋服を汚さないように、前掛けをちゃんと出してくれます。これもまた、嬉しい気配り。

 運ばれてきた味噌煮込みうどん。鍋のふたを開けると卵がまだ生の状態でやって来ました。味噌に卵って合うんですよね。さっそく卵の黄身を崩してうどんと絡めます。だしは鰹だし。名古屋特産の赤味噌と絶妙にマッチしています。こっくりとした、濃厚なだしがたまりません。麺はかなりしっかりとしたコシがあり、食べ応えがあります。周りのテーブルを見回すと、熱すぎる場合には鍋ぶたにうどんを一回のせて、冷まして食べるのもアリな模様。でも、男ですから。そんな軟派な食い方はいけません。熱いものは熱いうちに、熱いまま一気に食う。これが男の食べ方です。はい。

 気が付くと、アッという間に完食していました。ふぅ、と一息ついていると、店員さんがおもむろに近づいてきて冷えたおしぼりを出してくれました。いやはや、これは嬉しい。味はもちろんのこと、接客に関しても全く不満なし。とても素敵な時間を過ごさせていただきました。

 後日、名古屋出身の友人と味噌煮込みうどん談義をしていたのですが、基本的なサービスは山本屋本店も山本屋総本家も、そう大差はないそうです。そして友人は、味噌煮込みうどんに関してこんなことを話してくれました。

「名古屋の人はね、基本的には味噌煮込みうどんを外では食べないと思うよ。家庭で作るのが一般的かなぁ。少なくとも、僕が育った環境ではそうだった」。

 嗚呼、なんたること。その言葉がもし核心だとしたら、山本屋本店も山本屋総本家も観光客向けのお店という感じじゃないですか。それってちょっと悲しい……。でもよくよく考えてみたら、東京に住んでいたって、各家庭のうどんの「味」があるだろうし、味噌煮込みうどんだって同じことですよね。東京ではしょうゆベースで作るという点が、名古屋では赤味噌ベースというだけの話だと思うし。

●まとめ
 山本屋本店のホームページによると、だしは上質のむろあじ節と、宗田鰹節をブレンドした香り高いかつおだしに、鶏がらだしとたまりを合わせ、深い味わいに仕立てているのだそうです。鶏がらのだしも入っているんですね。深い味わいはそこからだったのか、と今さらながら感銘を受けています。

 麺は、普通の麺とは違って小麦粉と真水のみで作られています。これは山本屋本店に限ったことではなく、味噌煮込みうどん全般に言えることなのですが、味噌煮込みうどんは味噌の塩分濃度が高いため、塩分を増やさないためにうどんには塩を使わないのが通例なのだそうです。使っていたとしても、それは極々少量。そのため、麺が固めになってしまうのですが、煮込み料理なので固い方がむしろ好都合という、とても理にかなった料理と言えるわけです。

連続麺類を制覇、次なる獲物は

 ジャンキーな「スガキヤのラーメン」に、上品な「味噌煮込みうどん」。ともに名古屋らしさを堪能しましたが、ちょっと甘いものが食べたくなってきました。聞くところによると、名古屋には「ういろう」以外にも、甘い有名なものがあるらしいんです。次はそんなおやつを見ていくことにします。

(続く)

☆「山本屋本店の味噌煮込みうどん」を理解するための関連サイト
「山本屋本店」煮込みうどん
味噌煮込みうどん―山本屋本店 vs. 山本屋総本家