“埼玉ディス漫画”二階堂ふみ×GACKTで実写化

2018/04/09 05:00 Written by Narinari.com編集部

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「埼玉から東京に行くには通行手形がいる」「一生に一度は三越に行くのが埼玉県民の夢」「埼玉県民にはそこらへんの草を食わせておけ!」……。“埼玉県をディスりすぎているマンガ”として話題を呼び、累計発行部数は62万部を突破した、人気少女マンガ「パタリロ!」作者・魔夜峰央による「翔んで埼玉」が、二階堂ふみ×GACKTのダブル主演により、まさかの実写映画化が決定した。

本作のプロデューサーは2015年のある日、書店に平積みされていた「翔んで埼玉」を見て、強烈なインパクトを感じたそう。そして、なぜ今、この作品が世に受けているのかと興味を持ち、おそらく「ディスられても笑いに変えられるほど、地方が成長しているからではないか……」との仮説に至ったという。

もともと田舎出身というプロデューサーは、地方をもっと応援できるような、それでいて都会に住んでいる人も楽しめる、そんな作品を作りたいと映画化に向けて始動。何度かタッグを組んでいる武内英樹監督と「久しぶりにバカなことをやりたい!」と意気投合した。

しかし、「翔んで埼玉」は未完ため、その続きを考えるために脚本家も交えてオリジナルの展開を模索。大都会・東京から虐げられた埼玉が、自由を求めて徒党を組み戦うという原作の設定に、新たに“千葉”という対抗組織も用意。同じく東京から迫害を受けている埼玉と千葉が、どのように物語を形成していくのか……そして、相容れない土地に生まれた2人の間に芽生えた“愛”がどうなっていくのか……という2つのテーマを携えたストーリーを構成した。

また、物語の構成と共に、重要な主役2人のキャスティング。東京都知事の息子であり、白鵬堂学院の生徒会長=エリートとして華々しく学生生活を送る、壇ノ浦百美(だんのうらももみ)役は当初、原作の設定を変更し、女性にしても良いかとの意見も出ていた。プロデューサー、監督・脚本を中心に会議を重ねる中で、浮かび上がってきたのが二階堂ふみ。最近ではバラエティ番組にも出演し、ラブコメディ作品などでも随一の演技を見せる実力派の彼女であれば、原作のキャラクター造形の面白さを最大限に表現してくれるのではないかと考えたという。

最初に本人に相談した段階では、プロデューサーも「女性に変えようかと思っている」と説明していたのだが、本を読んだ二階堂本人から「これ、私が男性の役をそのまま演じたほうが面白くないですか?」と提案があったことで、原作の通り、名前も外見も女性っぽいのに、実は男性というキャラクターのままで進められることになった。

そして、二階堂演じる百美が淡い恋心を抱く、容姿端麗でアメリカ帰り、でも実は埼玉県出身の転校生・麻実麗(あさみれい)。原作者も交えたキャスティング会議では、様々なアイディアを出し合う中で、満場一致で「なるほど!」となったのがGACKTだった。

本業の歌手活動はもちろんのこと、大河ドラマ「風林火山」(2007年)での上杉謙信役など、俳優業としての活躍も目覚ましいGACKTに、原作の魔夜氏も大絶賛&太鼓判。とはいえ、いくらミステリアスな設定とはいえ、麻実麗は18歳の高校生という設定。「原作の魔夜さんのご指名なら…」と引き受けたGACKTも、自らが高校生役を演じてよいものかと思いながら、衣装合わせなどに挑んだという。

二階堂とGACKTは、それまでバラエティなどでの共演はあったものの、本格的な演技での共演は本作が初めて。クランクインは3月21日。“ご当地”埼玉を始め、関東各地で撮影が進められている。どこか浮世離れしていて、宝塚歌劇団のような空気感すら感じる現場の美術や衣装に囲まれ、主演の2人もすぐに世界観に溶け込み、笑いの絶えない現場で気持ち良く、この強烈すぎるキャラクターを演じているようだ。

映画「翔んで埼玉」は2019年公開予定。


☆著者:魔夜峰央(まやみねお)コメント

30年前の作品です。
当時私は埼玉県所沢市に在住しておりまして、抜けるような青い空と一面緑のネギ畑に囲まれて、牧歌的ながら、本当は東京へ行くはずだったのになぁ……と思いながらなんとなく悶々としていました。
良いところなんです所沢は。
しかし、これから一旗揚げようかと野心満々の当時の私にとっては、のんびりしすぎていて、なんとなく物足りなかったのは事実です。
とくに誰と話したわけではありませんが、周りで暮らしている所沢、埼玉の人たちも同じような気持ちでいるのではないかなぁと肌で感じることがよくありました。
今の生活に不満は無い、でももうひとつグレードアップしたい、というような、かすかな心の通奏低音が皆さんからも感じられたような気がしたのです。
その頃、自虐的にそういった埼玉県民の心の声をある意味痛切に描いたのが、この「翔んで埼玉」です。
おもしろいとかおもしろくないとかではなく、日々の鬱憤が爆発した心の声とでも言いましょうか。
今見るととんでもない作品ですが、当時は素直な気持ちをそのままぶつけたのだと思います。
それが、今になって、なぜ?
まったくもって私自身が一番驚いているような状況なのです。
今回はそれが、さらに映画化されるということで、ありがたいやら恐ろしいやら。
「本当にいいんですか?」と、最後に言わせていただきます。

二階堂さんへ
最近テレビでお顔は拝見しておりました。なんだか面白いキャラの人だなぁと、いい意味で、思っておりましたので今回の役はぴったりかもしれません。映画の中で思い切り遊んでいただけたらと思います。

GACKTさんへ
まさかオファーを受けていただけるとは思いませんでした。最初GACKTさんのお名前が上がった時、そこにいた一同全員がのけぞり次の瞬間、ありか、と頷いたものです。願ってもないキャスティングですが、この役がGACKTさんの人生の汚点にならないことを祈っております。


☆武内英樹監督 コメント

原作では、東京に虐げられた埼玉が熱い魂を持って立ち上がる話ですが、映画にはオリジナルで積年のライバル千葉も登場し、埼玉、千葉そして東京の仁義なき戦いを私なりの解釈で、コミカルに、ダイナミックに、壮大なスケール感で描きます!
今年浦和と大宮が住みたい街ランキング上位にランクインしたなど最近何かと注目度が高い埼玉と、埼玉には間違えなく勝っていると信じる千葉!そして、高みの見物東京!
果たして埼玉・千葉・東京の仁義なき戦いの決着は……!?!?
爆笑してなぜか泣いていて、劇場を出る時には、自分の出身地を誇りに思うようなそんな作品になると確信しています!


☆二階堂ふみ/壇ノ浦百美(だんのうらももみ)役 コメント

埼玉のプライドをかけた戦い、そしてそこから生まれる純愛ボーイズラブ。どのような作品になるのかは全く想像できませんが、精一杯真面目にふざけられたらと思います!


☆GACKT/麻実麗(あさみれい)役 コメント

このオファーがあった時は、「設定に無理があるんじゃないかな?」とは思ったんですけれども、ずっと以前から魔夜先生の作品のファンだったっていうことから、先生からの指名ということであればやるしかない、、、という想いで、今回の作品は受けてしまいました(笑)。
正直なところ、「ボクの歳で高校生ってどうなのか?」という気持ちは未だに払拭できてはいないんですが、この漫画自体がかなり無理のある設定の漫画ですので、無理がもう一つぐらい増えても問題ないかなとは思っています。
(二階堂)ふみちゃんとは、こういう形で一緒に共演できるのは嬉しいと思ってます。
番組以来の久しぶりの再会なので楽しみです。ふみちゃんにとって最高の相手役、最高のキャラクターで撮影に入れるように作り込んでいきたいと思います。


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