その中でどのような理由が多いのか確認してみたところ、まず目立ったのが「いま使っているスマホがまだ十分使える」というもの。これはiPhoneユーザーだろうがAndroidユーザーだろうが関係なく、現在のスマホを手放してまで新しく「iPhone6」を買う理由が見つからない、というものだ。
続いて目立ったのが、「値段が高過ぎる」というもの。現在、中国国内では高スペックの国産スマートフォンが格安で購入できる。それこそ「iPhone 6」の4分の1〜3分の1程度の価格で購入できるため、「それほど性能に差がないのに大枚はたいて買う必要があるのだろうか?」といった意見とともに、「単純に貧しいから買えない」という正直な意見も見られた。
また、毎回中国大陸での発売を先延ばしにするアップルの戦略に批判的な意見も多い。現在、アップルにとって中国大陸は大変重要な市場。にも関わらず、いつも初回発売エリアに選ばれていないことは「中国を軽視している」と映るようだ。「アップルはわざと中国人に飢餓感を起こさせている。これではまた香港に中国人が殺到し、高値で転売するビジネスが暗躍する。アップルは見て見ぬフリだが、これは明らかにアップルの姑息なやり方だ」などといったコメントが見られた。実際香港では、新しいiPhoneが発売されると、いつものようにiPhoneを高値で転売するビジネスが盛り上がる。それはもはやこの時期の“風物詩”といっても過言ではないほどだ。
買わない理由に「iPhone 6」のスペックやデザインを上げているユーザーもいた。それには「ジョブズありしころのサプライズが、今のiPhoneにはまったくない。デザインも含めてAndroid端末と大差ない」「明るくなったらしいけど、画素数が相変わらず800万画素というのはいただけない」「今回は防水仕様になるかと思っていたのに残念」「レンズの出っ張りが気になる」「SIM2枚刺せる端末に慣れているから、もうiPhoneには興味がない」などがあった。
と、このように様々な意見が出ているわけだが、これだけ多くの人が関心を示すのはそれだけ中国でiPhoneが多大なブランド力を持っている証拠。中には「スマホなんてブランドと関係なく欲しい人がそれを買えばいいだけ。車や洋服と一緒」という意見があるように、大事なのは自分が買って嬉しいか嬉しくないか、ただそれだけなのかもしれない。