カナダ放送局CBCによると、カナダ運輸省航空局は11月14日夜に、乗客数百人を乗せてロンドンから米国のアトランタに向かっていた英国航空機からの遭難信号を受信。捜索隊を向かわせたほか、現場上空を飛ぶ予定になっていた別の飛行機に針路変更を要請するなど、さまざまな対応に追われる事態になった。ところが、墜落したはずの飛行機は無事アトランタに到着したとの知らせも受け、英国航空機から発信されたと認識した遭難信号は、実は別の物から出されていたと判明。翌日、航空局が現場周辺の調査を行い、偽の信号が出されていた場所を特定したそうだ。
それは、バーウィックで野菜を中心に扱う商店。店内に設置されていた、デジタルビデオカメラと記録装置からなる「セキュリティシステム」から信号が出ていたことを突き止めたという。店長を務めるエイプリル・ハントリーさんは、やって来た航空局の職員から説明を受けても、事情が「本当によく分からなかった」と困惑。店にデジカメなどを設置したのは「ずっと前から」で、使い始めたばかりというわけでもない上、システムからなぜ航空局が受信した遭難信号が出されたのか、さっぱり見当もつかなかったからのようだ。
しかし、信号を発信した正体を見つけたはずが、さらなる謎にぶつかったという航空局。発信された信号を止めようと、商店のセキュリティシステムの電源を一度完全に切ったそうだが、なぜか信号は「途切れず」に出続けたままで、問題が解決しなかったそうだ。発信場所が商店であるのは間違いなさそうだが、問題がシステムにあるのか違うのか、「ミステリーが深まった」航空局はさらなる調査を続けているという。
結局、現時点においても「商店からどうやって飛行機が墜落したと思わせる信号を発せられたのか」という点は謎のまま。今後飛行機を利用する乗客たちの命にも、航空局の信頼性にも大きく関わる問題だけに、航空間の信号システム改善を促す有効な対処策を見出すためにも、カナダ航空局には早く今回の謎を解明してもらいたいところだ。