英紙ケンブリッジ・ニュースやデイリーメールによると、問題を起こしているのは、当初は今年9月に開業する予定だったローリーアーツ・センターという名のシネコン。このシネコンは、セントネオツの一部住民や議員が10年間建設を望む運動を展開した後、2007年に住民たちの意見聴取を行ったところ賛成多数となり、建設が決まったという。6つのスクリーンにレストランなどの商業施設が入る建物のほか、公園や駐車場など多くの人が楽しめるレジャー施設は、今年9月の開業を目指して建設が進められた。
ところが今年初め、建物の一部が敷地から75センチはみ出して作られていた事実が判明。原因を「建築コンサルタントから受けた情報の間違い」として「建物を規則通りに作るのが当然」との姿勢を見せた開発業者は、今年5月に建物を取り壊して計画通りに建て直す判断を下し、開業予定を4か月遅らせてまで2度目の再建設を開始。すると、作られる建物が自分の家に「とても近い」と感じた近隣住民たちが集まって独自に調査を始め、再建設が進められる建物もまた「西に30センチ、北に20センチ」建設予定地から外れていることが分かったという。
慎重に検討し、計画したはずの2度目の工事でも同じ過ちを犯してしまい、開発業者は完全に平身低頭。開発業者の幹部は、建設に不安を感じている住民たちがいるのは「分かっている」と話し、すでに承認された建設計画の変更を求める声も届いていると明かした。1度ならずも2度同じミスを重ねただけに言い訳はできず、開発業者としては再び計画書を作り直し、3度目の建て直しに臨む方針を見せているという。
ただ、今回のミス発覚で完成のメドが再び立たなくなり、シネコンの開業予定も未定へと変更。そのため、建設業者と開発業者は計画書は提出しながらも、住民たちに説明を重ねた上で、途中まで建設した建物を「そのまま使えないか」模索する道も探っているという。自治体側では、8月にも提出される計画書を見て、現地調査などを行った後に「再度の取り壊しをさせるべきか」の判断を下す予定としているが、完成を待ち望む多くの市民は、とにかく早い解決策が見つかって欲しいと願っているに違いない。