◎肥満ではリスク1.18倍に
Flegal氏らは、2012年9月までに発表された論文の中から、一般人口を対象とし、実測または自己申告によるBMIと死亡について報告した研究を抽出。さまざまな基準を満たした97研究(北米41、欧州37、オーストラリア7、中国・台湾4、日本2、ブラジル2、イスラエル2、インド1、メキシコ1)、参加者288万人以上、死亡27万例以上が解析の対象となった。
BMI 25以上30未満の過体重(日本の基準では肥満1度)、30以上35未満の肥満1度(同肥満2度)、35以上の肥満2〜3度(同肥満3〜4度)の死亡リスクを、BMI 18.5以上25未満の普通体重と比較した。
解析の結果、普通体重と比べた死亡リスクは、過体重では6%減少したが、肥満1度では差が認められず、肥満2〜3度では1.29倍に上昇した。肥満1度以上でまとめると、死亡リスクは1.18倍だったという。
BMIと死亡についての報告は多くあるが、今回は言語を問わない97研究、約300万人を含む過去最大規模の系統的レビューで“少しの肥満は長生き”が示された。Flegal氏らは、全死亡リスクが低下した理由について、肥満者の方が最適な医療を受けている可能性が高い、脂肪が増えると心臓を保護するような代謝作用がある―ことなどが考えられるとしている。
※この記事(http://kenko100.jp/news/13/01/09/01)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(http://kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。