日本を含む世界で人気の家具販売店IKEAが、1月9日から14日までの期間、フランス・パリの地下鉄駅構内であるイベントを実施した。イベントの内容は駅の中にアパートを設置し、その中でボランティアとして集まった5人の男女を6日間生活させるというもの。もちろんそこにはIKEAの家具が数多く配置され、彼らの“快適な生活”に役立っているところを地下鉄の利用客に見てもらおうという試みだ。

英紙デイリー・メールなどによると、この企画が行われたのは、パリ市内にある地下鉄のオーベール駅。IKEAは駅の中にスペースを借りて2つのアパートを設置し、ここで生活する28歳から35歳までの男女5人を集めた。5人はいずれもボランティアで、期間中は昼間に仕事へ出かける以外、モニターとして普段通りの生活を送るという使命が与えられている。

IKEAがこのイベントを仕掛けたのは、「狭いアパートでもIKEAの商品なら快適」ということをわかりやすく示すことが目的。アパートには多くの窓が取り付けられ、5人の生活は地下鉄の利用客にほぼ丸見えの状態になっている。とはいえ、それを承知で集まった5人は人々の視線を気にする様子もなく、家具を最大限に利用して思い思いの生活を満喫。イベントは大成功となったようだ。

IKEAフランスのFacebookやYouTubeでは、イベント開始までのメイキング映像「Making of montage de l'appart IKEA」(http://www.youtube.com/watch?v=oMEi9vzWdug)や、彼らの生活を収めた動画も毎日更新。メイキングを見るとアパートはプレハブのような簡単な作りだが、中には家具や設備が所狭しと並べられ、当然ながら生活するには充実した空間となっている。4日目となる1月12日には、外から友人も招待して誕生日パーティーが開かれたそうで、彼らはお酒を飲んでカラオケをしたりと大盛り上がり。そんな楽しげな様子を、外で多くの人が眺めているのも印象的だ。

しかし、中にはカメラを室内に向ける通行人もいるなど、プライベートは無いに等しい状態だけに、6日間もその環境で生活した彼らにはそれなりの覚悟も必要だったことだろう。それでも、毎日の動画に映る5人の姿からは相性も抜群だったと見られ、打ち解けた雰囲気と充実したIKEAの家具のおかげで、6日間丸見えの生活はうまく乗り切れたようだ。
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