米放送局ABC系列KOMO-TVによると、この墓地があるのはワシントン州ベルビューのサンセットヒルズ・メモリアル・パーク。同社はこれまでも緑豊かな敷地内に墓地を提供してきたが、今回のアイデアは同社のアーネス・スワンソンさんが息子とゴルフへ出かけた際に見た光景がきっかけで生まれた。以前、彼がゴルフを楽しんでいると、ある家族がフェアウェー上に現れ、身内のものと思われる遺灰をまき出したそう。これを見たスワンソンさんは「もっと良い方法があるはず」と、“ゴルフコース墓地”の構想が閃いた。
そして完成したのが、広大な敷地内に「プロのゴルフコース・デザイナーが設計した」(米紙サンフランシスコ・クロニクルより)という本格的なゴルフコース。1,200人以上のゴルフ愛好者を埋葬できるコース墓地には、バンカーやグリーンもしっかり用意され、遺族はそのコース上を歩いて脇に立ち並ぶ家族のお墓へ向かう形となっている。
10月25日には、PGA(全米プロゴルフ協会)やLPGA(全米女子プロゴルフ協会)の関係者も招いて、盛大なセレモニーと共に華々しくオープンするというこの墓地。今回の注目度にはスワンソンさんも手応えを掴んでいるようで、今後「ほかのスポーツをテーマにした墓地の建設も考えてみる」(KOMO-TVより)という。死後の弔い方も多様化しているとあって、こうした墓地は、今後さらに世界各地で作られていくのかもしれない。