ニュース番組の生中継の際に誤ったタイミングで画面が切り替わってしまい、本来は電波に乗せるべきではないリポーターの油断した姿がオンエアされてしまうことがある。それが間抜けなハプニングなら笑い話で済まされるかもしれないが、米国のあるリポーターは、タバコのポイ捨てをするシーンがバッチリ映ってしまった。しかも、そのリポーターが出向いていた中継先は石油タンクの火災現場だったとあって、より波紋を広げてしまったようだ。

このリポーターは、テキサス州の放送局CBS系列KHOU-TVのブラッド・ウッダードさん。米ブログサイト「TVSPY」などによると、問題となったのは6月24日午後6時から放送されたニュース番組の中での出来事だという。通常なら、スタジオからキャスターが石油タンク火災の情報を伝えた後、カメラが切り替わって現場のウッダードさんがリポートするという、よくある中継になるはずだった。ところがこのとき、予定とは異なる進行となってしまう。

その様子は6月24日付でYouTube上に「Smoking Reporter」(http://youtu.be/_6UCbNPZEW8)とのタイトルで投稿されている。キャスターがニュースを読み続ける中、画面は現場を捉えた映像へスイッチ。最初はタンクから黒い煙がモクモクと上がっているシーンや、付近の道路を撮影したシーンが流れ、この2カットの後でウッダードさんがカメラの前に登場した。

ところがその瞬間、画面に映ったのはタバコをふかしている彼の姿。キャスターの呼びかけに応じる形でそのままリポートを開始した彼は、右手に持っていたタバコを下に落として中継を行った。

この“ポイ捨て”シーンは、米国の複数のブログメディアが報道。“ポイ捨て”をしてしまったのが火災現場だったことに加え、「テキサスがひどい干ばつの最中」(米FOX系列ラジオ局1310KLIXより)で、火災に気を使う状況下であったことも市民の懸念を高める要因になり得ると指摘された。

これらによって、ウッダードさんはネットを中心に注目を集めてしまい、その結果、KHOU-TVのFacebookページでは謝罪のコメントを出す事態に。彼はタバコを落とした場所がコンクリートの地面で、「リポートの後に火が消えていたことを確認した」と説明した上で、自分の行動を大いに反省し、視聴者への謝罪の気持ちを表している。これに対して書き込まれたコメントを見ると、概ね「あなたは完璧なリポートした」「私は責められない」と、彼を擁護する意見が多数を占めているようだ。

一方、各ニュースサイトに寄せられたコメントでは、ウッダードさんの行動を諌める見方も少なくないが、中には「カメラが切り替わる前に、誰か手を挙げて合図してやれよ」(米ハフィントンポストより)との意見も。タバコの“ポイ捨て”には大きな問題があるのは確かだが、視聴者からすればタバコの問題も仕事も含めて、スタッフ間で連携を取ってミスのない放送をしろ、という気持ちなのかもしれない。
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