中国語で「水客」と言えば運び屋のこと。中国紙広州日報によると、今回香港・深セン間のボーダー、深セン湾口岸で摘発された水客は深センや汕頭から来た女性14人で、中には一人で85台の最新ケータイを持ち込もうとしていた人物もいたという。その女性はカバンの中に20台のケータイを隠し、残りの65台は服の下に腹巻のように巻きつけて隠し持っていたそうだ。彼女たちには運び賃として200元(約2,000円)が支払われる手筈となっていた。
こうした水客が暗躍しているのは、香港では中国大陸に比べると割安で電子製品を入手できるため。香港・深セン間のボーダーでの摘発は日常茶飯事で、水客には男性だけでなく、監視の目を避けるために若い女性や高齢者も使われている状況だ。また、ここのボーダーは人通りが激しく、ときにX線検査を素通りできたりするなど、監視の目が行き届いていないことも水客を増やす原因となっている。
中国の税関は先日、深センと、同じく香港に近い珠海のボーダーでは1日8,000人以上の水客が出入りしていると発表。運び賃は品物によって異なり、数十元〜数百元程度という。中には1日50回以上も出入りする水客もいるそうで、その平均収入は月5,000元(約6万3,000円)に達するらしい。ごくごく普通の旅行客が、目先の利益にとらわれて突如水客になることも多いため、深セン税関の責任者は甘い誘惑に乗らないよう注意を促している。また、旅行客の中には「個人の携帯品はすべて免税」だと勘違いしている人も多いという。