8月30日、上海を出発するKLMオランダ航空機は、離陸許可を待ち続けること1時間が経過。いつ出発できるのか、見通しもわからない状況だった。すると、「乗客たちの暇つぶしになれば」と立ち上がったのが、飛行機に乗り合わせていたアムステルダム・シンフォニエッタの面々だ。
公式サイトによると、アムステルダム・シンフォニエッタのメンバーは北京と上海でのツアーを成功させ、オランダへ戻るために同便に乗っていたという。しかし、待ち時間が長くなるにつれ悪くなる雰囲気を少しでも明るくしようと、それぞれの楽器を取り出して通路へと向かうことに。その一部始終を収めた映像が「Amsterdam Sinfonietta plays in KLM 747」(http://www.youtube.com/watch?v=TgGt3tyPnvw)のタイトルでYouTubeに投稿されている。
総勢22人のメンバーは2列の通路に分かれて並ぶと、モーツァルトの楽曲を演奏。メンバーの周囲には遠くの席にいたと思われる乗客たちも集まり、機内はちょっとしたコンサート会場となった。
このメンバーたちの行動が、乗客に楽しみを与えていたのは動画を見れば一目瞭然。演奏する様子に目を奪われる人やリラックスして耳を傾ける人、カメラで撮影したり笑い声が聞こえたりと、和んだ雰囲気が動画からも伝わってくる。そして、演奏が終わると同時に、機内には乗客の拍手と歓声が響き渡った。定刻通りに飛び立っていれば聞くことができなかった生演奏を目の当たりにでき、乗客たちはきっと「遅れても結果的には良かった」と思ったことだろう。