米紙デイリー・パイロットによると、山火事が発生したのはカリフォルニア州アーバインにあるゴルフ場、シェイディー・キャニオンゴルフコース周辺。8月28日の昼頃にコースを周っていた1人のゴルファーは、放ったショットがラフにハマってしまったのだが、この地点に飛んで行ったことが不運をもたらす結果となってしまった。
12時7分、ゴルファーはラフにハマったボールを打とうと懸命にスイング。しかし、振ったクラブはゴルフボールではなく、落ちていた石に当たってしまった。そのとき、散った火花が辺りの草木に着火。当時、空気が乾燥していたのも災いとなり、火は瞬く間に広がってしまい、ゴルフコース脇にある2つの山の中腹部分12エーカー(約4.8ヘクタール)を燃やしたという。
米ブログ情報サイト「Left Coast Rebel」は、実際の火災現場を撮影した写真を掲載。それを見ると、幸いにもゴルフコースには影響なさそうだが、かなりの広さに火が燃え広がっていった様子がよく分かる。ヘリコプターが消火に当たっている様子も確認できるが、オレンジカウンティ消防局は150人以上の隊員を出動させ、空と地上から消火活動を実施。その結果、12エーカーの焼失で鎮火に成功させた。
消防局のグレッグ・マキューン隊長は「大抵ここでは、冬に火災シーズンを迎える」(デイリー・パイロット紙より)と、この時期に山火事が起きるのは珍しいと話している。しかし2006年以降は、冬以外でも乾燥状態となる日が増えているそうで、もはや危険なのは冬だけということでもないらしい。この辺りには、さらに数千エーカーもの自然豊かな山々が連なっているそうで、消防局ではどこで起きても不思議ではないと注意を払っているという。
一度山火事が発生すると、「丘の上にホースをひっぱらなくてはならない」だけでなく、数千ガロンもの大量の水も使用すると、消火活動の厳しさも明かしたマキューン隊長。この場所に限らず、山では特に火に対して慎重にと、1人1人が気をつけなくてはいけない。ところで、今回意図せずして山火事を引き起こしてしまったゴルファーは、きっかけが「偶然」ということでお咎めなしとなったそうだ。
☆日本でも今年4月に同様のケース
今年4月10日、宮城県大和町にあるゴルフ場「ミヤヒル36ゴルフクラブ」でも同様の火災が起きている。この火災を当時伝えた読売新聞や産経新聞によると、現場となった17番ホールには火の気はなく、男性客が5番アイアンでボールを打った際に火花が飛び、結果、900平方メートルの芝生などを焼いたという。火は20分程度で消し止められ、けが人はなかった。