このクリンゴン語、iPhone向けに「Star Trek:Klingon Language Suite」なる“クリンゴン語←→英語”の辞書ソフトが米ミネソタ州に本拠を置くUltralingua社からリリースされていますが、このソフトの開発に携わった言語学者のダルモンド・スピアーズさんが地元紙ミネソタデイリーのインタビューに答え、その昔、自分の息子にクリンゴン語を教え込んでいたというエピソードを語っています。
スピアーズさんの試みは今から15年前、誕生したばかりの息子に3年間にわたって行われました。その中身は、息子と話すとき、コミュニケーションを取るときにクリンゴン語しか使わないというもの。この試みを実行したのは、スピアーズさんが、言語を自然に習得する幼児期に、果たしてその言語が架空のモノだったとしても、母国語と同じように理解・話せるようになるかとの疑問を抱いたためでした。ちなみに、ご本人はトレッキーであることを否定しています(※トレッキーはスタートレックシリーズの熱狂的なファンのこと)。
その結果、「息子は着実に、クリンゴン語をマスターしつつありました」。しかし、結局この試みは失敗に終わり、現在高校生となった息子はクリンゴン語を話すことはできないそうです。
なお、このインタビューは米国の多くのメディアに引用されていますが、そのひとつ、ミネアポリスやセントルイスのニュースを伝えるサイトのCITY PAGESでは、読者が「これは幼児虐待ではないのか」「後に役立つほかの言語ではいけなかったのか」という否定派と、「どんな言語であれ、複数の言語を学ぶのは良いこと」という肯定派に真っ二つ。激論が交わされている状態です。