世界にはギネス記録に挑戦する人たちがたくさん存在しているが、インドに住む67歳の男性、ギネス・リシさんもその一人。これまで「えっ、そんな記録アリなの?」と思うような、ちょっと変わった記録に挑み続けてきたインドの“名物おじさん”だが、このリシさんはいま、自分の身体に世界各国の「国旗タトゥー」を彫り、その数でギネス記録を狙っている。

リシさんが過去に挑戦した記録の中で、特にメディアに注目されたのは「ケチャップの早飲み」だ。2007年に行われたこの挑戦では、ストローを使い、490グラムのケチャップを39秒で飲み干すという、驚異的な(?)記録を打ち立てている。しかし、ギネス・ワールドレコーズ社は「危険な行動を促すような申請は受け入れられない」(米紙USAトゥデイより)として、記録認定の申請を却下。リシさんの記録は、残念ながら世界記録として認められなかった。

ちなみにリシさんが挑戦してきた記録はほかに、「1,001時間スクーターを動かす」「角砂糖で64インチ(約1.6メートル)の塔を作る」などさまざま。しかし、ギネスに認定されたものは未だゼロで、今年1月には英紙デイリー・メールに「彼はギネス認定を得るという夢を叶えるまで、新たな記録に挑戦し続ける」と紹介されている。

ところで、それほどまでにギネス記録へこだわるリシさんの名前が「ギネス」であることを、不思議に思う人もいるのではないだろうか。実はリシさんはもともと「ハー・パーカシュ・リシ」という名前だったが、ファーストネームを改名して「ギネス・リシ」になったという。まさに“ギネス記録に取り憑かれた男”といったところだ。

それほどまでに記録認定に情熱を燃やすリシさん。そんな彼が新たな挑戦に選んだのは、自分の体に刻む「国旗タトゥー最多記録」だ。すでにリシさんの額には、上列に自国インドの国旗と、インド政権与党であるインド国民会議の党旗の2つ、下列に米、英、キプロス、カナダの国旗4つ、合計6つが刻み込まれている。

現在はまだ額だけだが、タトゥーは今後、身体中に220の国旗・州旗が彫られていく予定だ。リシさんの計画では、「顔など骨ばったところは月に8つ、お腹のような柔らかいところは16ずつ」というスケジュールで、完成までに3年、費用は12,500ポンド(約200万円)かかると見られている。

「周りの人は、自分のことを驚異的な人間だと思っている」と、堂々とメディアに答えるリシさん。しかし、さまざまな挑戦を続けるリシさんに対し、奥さんの反応だけは芳しくないらしい。リシさんは「妻は私を、おかしなやつだと思っている」「こういう挑戦を続けるなら、私と人前に出たくないって言うよ」(英紙サンより)と語っていることから、かなり嫌がっていることがうかがえる。いずれは非公認の記録の数々を本にまとめたいとも話すリシさんだが、「国旗タトゥー最多記録」の挑戦が続く限り、まだしばらくは奥さんの苦悩が続くことになりそうだ。
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