今回「American Journal of Obstetrics and Gynecology」のオンライン版に論文を発表したストゥーベ准教授は、1,300人程度の女性を対象に、彼女らの食生活と妊娠時の体重増加のパターンを調査。その結果、妊娠前に必要とされている摂取カロリー(20〜50代の平均的な欧米女性では約1,900キロカロリー)に、たった500キロカロリーをプラスしただけで、米国で妊婦に薦められているウェイト・コントロールの上限(35ポンド=約16キログラム)を上回ってしまう可能性が高くなることが判った。
カロリーを摂取しすぎれば体重が増えるのは当たり前だが、暴飲暴食ではなく、意外と少ないカロリーがプラスされただけでも、母子に対するリスクが高くなるという。妊婦の体重増加は、子癇(しかん)症候群や、生まれてきた子どもが将来肥満になる確率を高くする。ストゥーベ准教授は、
「500キロカロリーといえば、ダンキン・ドーナツで、マフィンかクリームチーズをぬったベーグルをおやつ代わりにしただけで摂取できます。要するに、そんなに大食いしたつもりがなくても、アッという間にカロリーが過剰気味な食生活になってしまうということです」
と、指摘する。
さらにストゥーベ准教授によると、特定の食品も妊婦の体重オーバーを招くという。揚げ物など、脂肪分の多い食べ物は当然理解出来るが、乳製品(低脂肪牛乳、またそれで作られた食品も含む)も妊娠時のウェイト・コントロールには悪い影響を与えるそうだ。母体が必要とするカルシウムを多く取るために牛乳で補おうとする女性もいるだろうが、飲み過ぎには注意が必要なのかもしれない。