英紙デイリー・ミラーによると、この夫婦は、米ミネソタ州・ミネアポリスに住むデイビッド・ウェインリックさんとエリザベスさん。話は1994年、当時大学生のデイビッドさんが「1998年6月13日に28歳で結婚する」と友人らに宣言したのが始まりだった。この宣言はデイビッドさんが当時の交際相手と結婚するつもりで発したものだったが、残念ながらほどなくして破局。すると友人たちは、宣言通りの日時に結婚させようと、デイビッドさんの花嫁を広く募集することにした。
この話題は地元テレビ局を通じて広く伝わり、最終的に約300名の女性から応募が集まる。家族や友人たちの厳正な審査の結果、エリザベスさんが花嫁に選ばれ、決定から1時間後にはミネアポリスのショッピングセンターで結婚式を挙げた。式の模様は地元テレビでも中継され、多くの注目を集めたのだが、見た人のほとんどは結婚生活が続くことに懐疑的だったそうだ。
しかし、周囲の予想に反して結婚生活は10周年を突破した。この大きな節目を米ニュースサイト「TODAYShow.com」は、昨年6月に驚きをもって報道。2人のインタビュー記事を掲載し、結婚に至るまでの詳細な経緯を伝えている。
それによると、花嫁募集はデイビッドさんが交際していた女性と破局した1997年に、友人たちが「1998年6月13日に28歳で結婚する」の宣言を実現させるためにウェブサイトを開設。さらにビラを配り、コマーシャルを製作するなど大々的な行動を起こしたことが、地元テレビ局に取り上げられるきっかけになったのだという。その結果、エリザベスさんとの結婚に至るのだが、結婚前の2人の“接触”は前日に会話した5分程度のみ。ほとんどお互いを知らぬまま結婚をしたとされる。
でも、エリザベスさんは当時デイビッドさんが喫煙者だった点を挙げ、「もしバーでタバコを吸う彼に会ってたら、結婚対象にはならなかった」そう。「花嫁募集」という運命的な出会いがなければ、2人が結婚に至る可能性はゼロだったわけだ。また、デイビッドさんは、この結婚を懐疑的に見る人々の考えを「理解できる」と語りながら、「それは結婚後の生活に間違った夢を見る人が多いから」として、「自分はきちんと受け止めている」と結婚生活に自信を示している。
「愛は突然やってきた」と話す2人は、7歳の女の子を筆頭に、今年3月に生まれた男の子まで4人の子どもにも恵まれた。エリザベスさんは「あの結婚を全く後悔していない」とキッパリ。“結婚後に初デート”と破天荒な人生を歩む2人は、運命の出会いという強力な幸運があったものの、実は現実的に相手を受け入れて愛し合い、立派な夫婦として幸せを築いてきたようだ。