そんなプレミアリーグで昨年2月、相手DFのスライディングを受けたアーセナルFWエドゥアルド・ダ・シルバ選手が左足を骨折した。折れた骨が飛び出す開放骨折で、パニック状態となるチームメイトもいたほど。メディアなどに掲載された写真を見て、ショックを受けたサッカーファンも多いのではないだろうか。
そのエドゥアルド選手が、2月16日のFA杯カーディフ戦でトップチームに復帰した。一時は選手生命まで危ぶまれた大ケガをわずか1年で克服しただけでなく、復帰戦に2ゴールを挙げる快挙まで達成している。
ブラジル出身のエドゥアルド選手は、2004年にクロアチアへ帰化し、同国代表でも中心選手として活躍。欧州選手権(ユーロ2008)予選や欧州チャンピオンズリーグ予備予選でのプレーがアーセン・ベンゲル監督の目に留まり07年にアーセナルへ移籍したが、上記の事故により欧州選手権の本戦でプレーすることはなかった。
エドゥアルド選手は開放骨折という大ケガを負いながらも、医師や家族に支えられながら復帰に向けて不屈の精神でリハビリに取り組み、わずか10カ月で実戦復帰(アーセナルのリザーブチーム)。2月11日にはクロアチア代表の親善試合に途中出場し、今回のFA杯でクラブトップチームへの復帰を果たした。
1ゴール目を決めた瞬間、涙があふれたというエドゥアルド選手。試合後には「今日はぼくにとって人生最高の夜。また最高レベルでプレーができると証明したんだからね」と復帰の喜びを語っている。
チームはエドゥアルド選手の2ゴールを含む4-0で快勝し、5回戦に進出。故障者が相次ぎ他のタイトル獲得が困難な状況のアーセナルにとって、久々の明るい話題となった。ベンゲル監督は「エドゥアルドの復帰と活躍を、みんなが幸せに感じている」「彼の復帰がどれ程の意味を持つのか、シーズン後に分かるだろう」とコメントしている。