渦中のロドリゲス選手はSI誌の取材に対してノーコメントを貫いていたが、米放送局ESPNの単独インタビューに応じ、レンジャーズ時代の2001〜03年にステロイドを使用していたことを認めた。電子版の記事(http://sports.espn.go.com/mlb/news/story?id=3895281)には、インタビュー動画も公開されている。
ロドリゲス選手はレンジャーズ入りした01年当時、毎日高い水準でプレーすることを求められる強烈な重圧を受け、「史上最も偉大な選手の1人であることを証明したかった」として薬物の使用を告白。これについて、「私は若く、思慮が足りなかった。私のファンやレンジャーズのファンに謝罪したい」と述べている。地元紙ニューヨーク・タイムズに寄せられた「彼は10代でメジャー入りし、重圧にさらされていた。そこにゆがみが生じたんじゃない?」とする読者の意見は的を射ていたようだ。
使用した薬物については明確なコメントを避けているものの、使用したのは03年までで、高校時代や03年以降は使用していないことを明言。聞き手を務めたESPNの記者ピーター・ガモン氏から、当時のレンジャーズに薬物使用を容認する風潮があったのかと聞かれると、「テキサスだけのことを言うのは不公平だが、全体としてそういう風潮があるのを感じた」としている。
また、ヤンキースのオーナー、ハル・スタインブレナー氏とブライアン・キャッシュマンGMとはすでに話合っており、2人はロドリゲス選手を支持することを約束したという。
これに対してロドリゲス選手は「チームのために最善を尽くす」とし、ニューヨークでの活躍を誓った。さらに、野球少年に向けては「一生懸命、練習に励んでほしい。自分の能力だけで十分だから、自信を持って。私と同じ間違いを犯さないでほしい」とのメッセージを投げかけている。
「私はいつでも、真実について向き合い説明したいと思う。初めは痛みを伴うが、トンネルを抜けた先には光明があるはず」と語ったロドリゲス選手。繰り返し03年以降は「クリーン」であることを強調しているが、この5年間の“無実”を証明できるかについては「分からない」と回答。今後も風当たりの強さが増しそうだ。