ところが、「朝バナナダイエット」に大きな落とし穴があることを、10月6日発売の「週刊ポスト」が報じている。同誌によると、免疫力低下や尿路結石のほか、発がん率上昇の恐れもあるという。
「朝バナナダイエット」は、「はまち。」というペンネームを持つ夫婦が考案したもの。朝食にバナナと常温の水をとるだけという簡単な方法がネットで評判となり、今年3月に書籍化。累計73万部を売り上げている。さらに、「ドリーム・プレス社」で歌手の森久美子が減量に成功したと紹介されたことで、スーパーからバナナが消えるほどの異常ブームに発展した。
しかし、同誌に紹介されている栄養学博士のコメントによると、バナナは9割が炭水化物のため、それと水だけではたんぱく質と脂肪が不足するようになるのだとか。すると、免疫機能が低下して風邪などの感染症にかかりやすくなるだけでなく、「発がん率が高まるといっても過言ではありません」(同誌より)という。
その対処法として、たんぱく質が豊富で低カロリーの目玉焼き(2個)や、炭水化物を燃やすビタミンB1を多く含むブロッコリー、オクラなどをバナナと一緒にとるなど、「3大栄養素」のバランスに配慮した食事が推奨されている。
一方、同ダイエット法では、1日のバナナ摂取量は何本でもよいと紹介されており、著者は当初4本でその後2〜3本、森久美子は4本だったという。しかし、これについても、新潟大医学部教授が激痛を伴う「尿路結石」を招く恐れがあるようだ。バナナには他の食品に比べて多くのシュウ酸を含んでおり、シュウ酸のとり過ぎは尿路結石のリスクを高めるのだとか。同教授は「バナナの含有量から考えると、1日3本以上は食べ過ぎといえるでしょう」(同誌より)としている。
著者夫婦は、同誌に対して「朝バナナダイエットは、朝にバナナを食べるだけでのダイエットではありませんが、そのように解釈されていることが多く、騒動に発展しています」とコメント。間違った解釈がまかり通っていることに、心を痛めているようだ。