ネットでは、ときどきズバ抜けた才能の持ち主に出会うことがある。楽器を演奏する人、絵を描く人、歌を唄う人……。「これ、本当に素人がやっていることなの?」と誰もが思うほど、鳥肌が立つような出来映えの作品や人物に出会ったとき、人は畏敬の念を込めてそれを「才能の無駄遣い」と呼ぶのが通例となっているが、また一人、新たな「才能の無駄遣い」を披露する人物が現れた。

今年2月24日から始まったサービス「こくばん.in」に、「タモリさん」と題した作品が投稿されたのは7月31日のことだった。「こくばん.in」は、学校にある緑色の黒板をイメージしたキャンパスにチョークで文字や絵を描いたり、黒板消しで消したりして「落書き」ができる、誰もが懐かしさを感じられるサービス。「タモリさん」は黒板に白いチョークと黒板消しのみを使って描かれた「落書き」だが、そのクオリティは「落書き」と呼ぶには失礼なほど、あまりに完成度が高い。

「こくばん.in」では、ユーザーが絵を描いていく様子が最初から最後までリプレイ表示されるのだが、緑色の黒板を白いチョークで塗りつぶすところから始まる「タモリさん」完成までの道程はまさに圧巻の一言。白いチョークと黒板消しはまるで魔法の杖のようにタモリを浮かび上がらせ、最後には写真と見間違うほどの写実的な作品に仕上げられていく。

この作品を見たユーザーからは、「こくばん.in」のコメント欄に「すごい!タモリさんそのもの!」「超そっくりです」「うまスギ!」「今日のいいともこんな感じだった」「神!」「感動しました」など、絶賛の声が相次ぎ、また、はてなブックマークでも「白黒写真かと思った。頬の線書くときとかびびった」「もう写真やん」「どうみても写真にしか見えない完成度」「まさに才能の無駄遣い。肌の質感や歯や耳が出来るときはちょっと鳥肌モノ」と、やはり賛辞のオンパレードだ。

今回、「タモリさん」で腕前を披露している「TOMO」さんは、ほかにも「落書き」を多数投稿している。その素晴らしい「才能の無駄遣い」は一見の価値ありだ。
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