自動車の走行音が静かなことを問題視する声の中身は、概ね「視覚障害者が危険にさらされている」というもの。要は静かすぎるがゆえに、自動車が近づいてきていることを視覚障害者が察知しづらく、危険にさらされている……といったところだ。そのため、米議会では2010年の施行を目指し、現在、自動車の「最低騒音レベル」に関する法案の審議が行われているとの話も出てきている。
こうした流れの中で、今度は英国のロータスエンジニアリングが、「エコカー」に騒音を発生させる装置「セーフ&サウンド」を開発した。この装置はドライバーが体感できる騒音レベルはほぼ変わらないものの、車外の人に対してはハッキリと自動車が来たことが分かる騒音を発する装置だという。
「エコカー」の利点の一つとも言える静粛性をあえて打ち消すのは本末転倒との意見もあるが、現状、クラクションよりも弱い方法で歩行者に危険を知らせる術がない以上、「こうした技術もやむを得ないのでは」との声も目立つ。この装置を付けても車内の静粛性が保たれるのであれば「エコカー」のドライバーにデメリットはほとんどなく、妥当な落としどころと言えるのかもしれない。