「フード・バンク」は、1964年から貧困対策のひとつとして米政府が制度化した「フードスタンプ」と同様、食べる物に困っている市民をサポートするために重要な役割を担っています。ちなみに「フードスタンプ」はデビット・カードとして支給され、スーパーで食料品の買い物が出来る仕組み。しかし、ビールなどの嗜好品は対象外となります。
さて、この「フード・バンク」や「フードスタンプ」。今まではホームレスや、所得の少ないシングル・マザーといった人々が申請を行っていたのですが、最近はまた新しいタイプの利用者が増えているそうです。
それはなんと大学生たち。
米国の大学生は、学生ローンやアルバイトなどで授業料や生活費を支払っているケースが珍しくありません。親からお小遣いをもらい、悠長に暮らすなんて贅沢なことは、日本と比べると少ないようです。
そして、最近の物価上昇で生活に厳しさを感じる人々が多い中、そのダメージは苦学生にも容赦なく振りかかっているのでした。そんな彼らは親に援助を求めるのも申し訳ないと、公共のサービスを活用しているのです。
ワシントン州はシアトルにある食料品では、ここ数年、近くの大学から学生がやってくるようになりました。毎週約150人ほどが食料の提供を受けているそうで、施設全体の利用率も昨年から25%上昇していると言います。米国の大学生の置かれている状況は、結構シビアなんですね。