これは、札幌医大の大庭正裕准教授らの調査によって明らかになったこと。その調査によると、札幌大病院で20歳以上の成人の手術数が2001年は24例だったが、03年は59例、昨年には78例と増加し、手術全体に占める成人の割合も13%から33%に上昇したのだとか。また、他の施設でも増加傾向にあるという。
外傷性以外での原因は、前述のとおり目の周りの筋肉、眼筋が関係していることが多く、強い遠視や近視がある場合に両目の眼筋のバランスが崩れてなることも。両目を使って見る働きは5〜6歳で完成するため、6歳を過ぎてからの治療は治りにくいとされている。
大庭准教授らは、こうした成人の斜視増加について「目の酷使」を原因の1つとしており、パソコンや携帯電話の画面を見る機会が増えたことにより、潜在的にあった斜視が出てきたことも要因の1つに挙げた。
このニュースを受けて、ネットでは「最近、鏡をじっくり見たら斜視ぎみになってて驚いた」「斜視がひどくなってきたと思ったら、こういう理由だったのか…」など実感する声や、斜視になったわけではないが「パソコンの使いすぎで近視や乱視が強くなった気がする」といった意見が寄せられている。
今回の研究は可能性を示しただけにすぎず、視力低下とともにパソコンや携帯電話との関連性が証明されたわけではない。しかし、各研究により眼精疲労やドライアイ、一時的な近視状態の関係が指摘されていることから、やはりパソコンや携帯電話の使いすぎには注意したほうがよさそうだ。