こうした中、今季も低迷を続けるマリナーズの責任を取る形でビル・バベシGMが解任されたが、同時にジョン・マクラーレン監督も改革に着手。イチロー選手を約2年ぶりに右翼へ戻したほか、城島健司捕手の一塁コンバートなどを発表した。
「僕はキャッチャーですから、ファーストをするためにアメリカに来たわけでない」(MAJOR.JPより)と不満をあらわにしていた城島選手と対照的に、イチロー選手は「見える景色が僕の庭ですよね、久しぶりにやっても。いい眺めでしたね」(スポーツニッポンより)と慣れたポジションへの復帰を喜んでいたようだ。
このイチロー選手のコンバートについて、マクラーレン監督が地元紙シアトル・タイムズやシアトル・ポストインテリジェンサーに内幕を明かしている。同監督よるとバベシGMの解任とは無関係で、1カ月前から本人に打診していたという。さらにコンバートを持ちかけた際、イチロー選手は目を輝かせ、満面の笑みで首をたてに振りながら「そこはぼくの庭だ」と答えたのだとか。マクラーレン監督も待ち望んでいたことにようで、「目を閉じると、右翼からボールを投げ、フェンスを登り、そしてファンを指差す背番号51が浮かんでくる」と詩的に語っている。
では、右翼復帰の理由はマクラーレン監督の個人的な要望だけなのだろうか。それについては、「イチローがあまりに捕球するので、両翼手は彼が何もかもキャッチしてしまうと思い、ときには『自分では捕れない』と考え込んでしまう」としている。天才的な守備も、チームメイトにとってはプレッシャーのタネになっているようだ。