在京スポーツ7紙の映画記者による「東京映画記者会」主催のブルーリボン賞は、毎日映画コンクールやキネマ旬報ベスト・テンとならぶ日本映画賞の権威。多くの映画関係者がこの賞の受賞を目指している。
これまで発表されている主要映画賞で作品賞を独占してきた「それでもボクは〜」だが、ここでストップ。日本アカデミー賞を残し、2007年度の全映画賞制覇はならなかった。
作品賞を受賞した「キサラギ」は、自殺した“D級”アイドル・如月ミキの1周忌に集まった5人の男性が、「彼女は殺された」という言葉をきっかけに推理を始めていくという作品。1つの部屋で繰り広げられる密室劇であることから場面の動きはないが、スリリングな展開や絶妙なセリフ回しが高い評価を得ている。しかし主要映画賞はすべて逃しており、キネマ旬報ベスト・テンやヨコハマ映画祭のベスト11〜12作品にも入らないダークホースだった。
主演男優賞の加瀬亮は報知映画賞、ヨコハマ映画祭、キネマ旬報ベスト・テンに続く受賞。また、主演女優賞の麻生久美子は報知映画賞、キネマ旬報ベスト・テン、毎日映画コンクールに続いて4つめの栄冠を手にしている。
このほか、助演男優賞は「松ヶ根乱射事件」「転々」の三浦友和、助演女優賞は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の永作博美、新人賞は「恋するマドリ」「ワルボロ」「恋空」と3作品に出演した新垣結衣が受賞し、特別賞は故植木等さんに贈られた。
[第50回ブルーリボン賞結果]
作品賞 「キサラギ」
外国映画賞 「ドリームガールズ」
監督賞 周防正行 (「それでもボクはやってない」)
主演男優賞 加瀬亮 (「それでもボクはやってない」)
主演女優賞 麻生久美子 (「夕凪の街 桜の国」)
助演男優賞 三浦友和 (「松ヶ根乱射事件」「転々」)
助演女優賞 永作博美 (「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」)
新人賞 新垣結衣 (「恋するマドリ」「ワルボロ」「恋空」)
特別賞 故植木等
邦画ベスト10
「アヒルと鴨のコインロッカー」
「キサラギ」
「しゃべれども しゃべれども」
「それでもボクはやってない」
「天然コケッコー」
「包帯クラブ」
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
「舞妓Haaaan!!!」
「めがね」
「夕凪の街 桜の国」
洋画ベスト10
「クィーン」
「グッド・シェパード」
「シッコ」
「ディパーテッド」
「ドリームガールズ」
「バベル」
「ブラッド・ダイヤモンド」
「ヘアスプレー」
「ボルベール<帰郷>」
「ボーン・アルティメイタム」