年が変わって第79回アカデミー賞の授賞式が行われる2月25日まであとわずか。映画賞レースも佳境に入ってきているのだけど、同賞の前哨戦の1つであるゴールデングローブ賞の第64回授賞式が1月15日(現地時間)に行われ、各部門の受賞者が発表されたのだ。

今回の注目は、助演女優賞にノミネートされた菊地凛子。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の「バベル」で聴覚障害と心の傷を抱えた女子高生・チエコを好演し、アカデミー賞前哨戦の1つである米映画批評会議賞(NBR賞)で新人女優賞を受賞したのはNarinari.comでもお伝えしたとおり。共演したブラッド・ピットがその演技を絶賛するなど、ゴールデングローブ賞の受賞、さらにはオスカー獲得まで期待されていたのだ。

しかし、今回の助演女優賞は「ドリームガールズ」(ビル・コンドン監督)に出演したジェニファー・ハドソンが受賞。残念ながら菊地凛子は2つめの賞を逃してしまったのだ。本人は記者会見で「(ゴールデン・グローブ賞の)あの場所に行けたことだけで幸せ。ノミネートされて注目されたことに感謝しています」(読売新聞より)と笑顔で答えたそうだけど、イニャリトゥ監督が「リンコはアカデミー賞の助演女優賞にもノミネートされるだろう」と語っているように、一番大きな賞の獲得が期待されるのだ。

ちなみに、作品自体は作品賞(ドラマ部門)を受賞、「ドリームガールズ」は作品賞(ミュージカル・コメディ部門)、助演男優賞(エディ・マーフィー)も受賞している。

また、もう1つの注目だったクリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」は外国語作品賞を見事受賞。イーストウッド監督は「硫黄島からの手紙」と「父親たちの星条旗」で監督賞にダブルノミネートされたのだけど、こちらは残念ながら受賞できなかったのだ。

しかし、これはあくまで前哨戦。“本番”の2月25日には「硫黄島の手紙」も菊地凛子も受賞できるといいなあ。


☆第64回ゴールデングローブ賞受賞者・作品

作品賞(ドラマ部門) 「バベル」
作品賞(ミュージカル・コメディ部門) 「ドリームガールズ」
監督賞 マーティン・スコセッシ(「ディパーテッド」)
主演男優賞(ドラマ部門) フォレスト・ウィテカー(「ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド」)
主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門) サシャ・バロン・コーエン(「ボラット」)
主演女優賞(ドラマ部門) ヘレン・ミレン(「クイーン」)
主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門) メリル・ストリープ(「プラダを着た悪魔」)
助演男優賞 エディ・マーフィー(「ドリームガールズ」)
助演女優賞 ジェニファー・ハドソン(「ドリームガールズ」)
外国語作品賞 「硫黄島からの手紙」
アニメ賞 「カーズ」
脚本賞 「クイーン」(ピーター・モーガン)
音楽賞 「五色のベール」
オリジナル音楽賞 “The Song Of The Heart”(「ハッピーフィート」)
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